ロングレールでは、高温でレールが伸びても曲がらないように、伸縮を前提とした継目になっている(撮影/高橋政士)
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ロングレールでは、高温でレールが伸びても曲がらないように、伸縮を前提とした継目になっている(撮影/高橋政士)

 近年は、列車の乗り心地を良くするため、1本を長くして継ぎ目を減らした、ロングレールを使用する路線が増えている。ロングレールとは一般的には200m以上のレールを指すが、実際の敷設では1,000m程度のものもある。

 この場合、計算上では30度の温度変化が起きると約360mmも伸縮することになるが、不動区間という、ロングレールの中間部分ではレールが伸縮しないように押さえ込んでいるため、その両端の200m前後が可動区間として伸縮の余地を残しているのだ。

2010年8月6日、猛暑でレールが曲がらないように札幌で運転された散水車 (C)朝日新聞社
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2010年8月6日、猛暑でレールが曲がらないように札幌で運転された散水車 (C)朝日新聞社

 それでも伸縮量はかなりのものとなるので、レールの継ぎ目が工夫されることとなる。一般的な定尺レールの継ぎ目は「突き当わせ継目」になっているが、ロングレールの場合は「伸縮継目」といって、伸縮した分を逃がすための特殊な構造になっている。こうして事故や障害を未然に防いでいるのである。(文/高橋政士)