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「長篠・設楽原の戦い」が首位! 戦国大合戦ランキング

短期連載「戦国合戦の作法と舞台裏」(1)

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橋場日月dot.#歴史
ランキングの採点方法

編集部で厳選した戦国30合戦のなかから、橋場日月氏が選び出した15合戦。それらの戦いを以下の5項目を基準に両軍合わせて採点。その合計点からベスト10を選出した。
●動員兵力…参戦兵力数から採点
●采配力…戦術や戦略に対する指揮能力から採点
●武器…鉄砲や大砲などの火力や騎馬などの新兵器の使用頻度から採点
●革新性…今までになかった新しい戦術や戦略を用いた戦い方や創意工夫から採点
●歴史への影響力…合戦の結果がもたらした後世への影響の大きさから採点
※各項目ごとに20点満点で、合計100点満点とした。

ランキングの採点方法 編集部で厳選した戦国30合戦のなかから、橋場日月氏が選び出した15合戦。それらの戦いを以下の5項目を基準に両軍合わせて採点。その合計点からベスト10を選出した。 ●動員兵力…参戦兵力数から採点 ●采配力…戦術や戦略に対する指揮能力から採点 ●武器…鉄砲や大砲などの火力や騎馬などの新兵器の使用頻度から採点 ●革新性…今までになかった新しい戦術や戦略を用いた戦い方や創意工夫から採点 ●歴史への影響力…合戦の結果がもたらした後世への影響の大きさから採点 ※各項目ごとに20点満点で、合計100点満点とした。

 週刊朝日ムック「歴史道Vol.5」では、戦国合戦を大特集。戦国の期間に関しては異説も多い。編集部では、応仁の乱が起こった応仁元年(1467)から「元和偃武(げんなえんぶ)」を迎えることとなる慶長二十年(1615)の大坂夏の陣までの約150年間とした。その間に起こった大小数多くの合戦のなかから厳選した戦いを、「兵力」「采配力」「武力」「革新性」「歴史への影響力」の5つの基準で採点しランキング化。首位に立ったのは「長篠・設楽原の戦い」だった。

【連吾川を挟み対峙する武田軍と織田・徳川連合軍。「長篠合戦図屏風」はこちら】

*  *  * 
 天正三年(1575)五月、織田・徳川連合軍VS武田軍の「長篠・設楽原の戦い」は、東西の両雄が相まみえた初の合戦。旧来の戦術で突撃してくる最強武田軍に対し、馬防柵や鉄砲隊を駆使した織田信長の新戦術が激突した。
「長篠合戦図屏風」連吾川を挟んで、突撃する武田軍騎馬隊と、迎え撃つ織田・徳川連合軍鉄砲隊の姿が描かれた長篠合戦図屏風。先鋒として突撃し銃弾に倒れた武田軍の山県昌景は、従卒により首が
搬送されている姿で描かれている。(犬山城白帝文庫所蔵)

「長篠合戦図屏風」連吾川を挟んで、突撃する武田軍騎馬隊と、迎え撃つ織田・徳川連合軍鉄砲隊の姿が描かれた長篠合戦図屏風。先鋒として突撃し銃弾に倒れた武田軍の山県昌景は、従卒により首が 搬送されている姿で描かれている。(犬山城白帝文庫所蔵)

 ■酒井忠次の迂回戦術が、武田軍を窮地に追い込む

 天正三年(1575)四月二十一日、甲斐・信濃・駿河から東美濃の・遠江(とおとうみ)の一部にわたる版図を持つ武田勝頼は1万5000の兵力で三河に侵入。各地を脅かした後、長篠の城を包囲した。

 徳川家康の援軍要請を受けた織田信長は五月十三日に岐阜を出陣すると岡崎で家康と合流。十八日に長篠西方の設楽原(したらがはら)に着陣する。これを知った勝頼も長篠城包囲の兵3000を残して設楽原へ主力1万2000を向ける。

 信長は設楽原の連吾川西岸、極楽寺山・茶臼山などの山地に大土木工事を施していた。斜面を切り開いた広い曲輪(くるわ)群、数段の切岸(急斜面)、堀切、虎口(こぐち)を備え、その前面には三重の柵(『本多家武功聞書』)、空堀、土塁が南北2キロメートルにわたって横たわる鉄壁の備えである。

 この備えに満足した信長は「今度勝頼と間近に対陣するのは天の与あたえるところだから、悉ことごとく討ち果してみせる」(『信長公記』)と決戦への意欲を燃えたたせた。

 さらに信長は、細川藤孝や筒井順慶から鉄砲手や弾薬を長篠へ送らせている。彼がこの戦いに投入した鉄砲は俗に3000挺というが、おそらくそれに近い数が投入されただろう。野戦で大規模な陣城と大量の鉄砲を組み合わせて行われる戦術はこれが初めてで、その革新性と武器の先進性・数量のポイントは高い。

 一方、二十日に軍議を開いた勝頼は、「信長・家康は作戦も無く陣地に籠もっているから、しゃにむに突撃をかけて彼らを討ち果たす」(書状)と、こちらも決戦に向けて連吾川東岸・医王寺山周辺に軍勢を展開していた。



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