大阪の電車特定区間
大阪の電車特定区間

 大阪の電車特定区間では、京都発23時54分の「新快速」西明石行きがダントツトップ(3555M・西明石着25時10分)。高槻~西明石間の1240円(77.1km)が特例の恩恵運賃だ。この列車の大阪発は24時25分だが、大阪を3分後に出るJR神戸線普通列車の西明石着は25時38分で、大阪起点だとこちらが最終列車となる。東に向かう列車では、西明石24時02分発の普通列車が最終で、大阪には25時11分に着く。大阪~西明石間は920円・55.9kmとおトク度は高い。

 阪和線方面では、和歌山が電車特定区間の境界駅。大阪発23時24分の日根野行き快速(4239M)から日根野で和歌山行き普通列車に乗り継ぐと、和歌山到着は24時48分。日付変更駅は和泉府中となり、710円(40.4km)がおトク。「穴場」といえそうなのが奈良方面で、大阪発23時53分の大阪環状線外回り電車でスタートすると、天王寺から奈良行きに乗り換える25時04分に終点に着く。日付が変わる京橋~奈良間は710円(42.8km)と侮れないウマみがある。

大阪電車特定区間のおもな方面別最終リレー(平日)
大阪電車特定区間のおもな方面別最終リレー(平日)

 一方、山陰方面からは園部発23時19分の普通列車(288M)が、湖西線からは永原発22時43分の普通列車(1851M)が京都でJR京都線普通電車に接続し、大阪着25時00分までの最終リレーができる。

 こうした最終リレーは、エリア内に自宅がある場合は帰宅にも使えるが、目的地付近に前乗りすることで、翌日の行程をより有利にしたり、余裕を持たせたりするための手段としても活用できる。列車ダイヤ次第で一歩先を目指してもいいし、浮いた時間を使って街歩きなどを楽しんでもいい。ときには、こんな特定区間ルールを生かす旅も面白いのではないだろうか。(文/植村 誠)

○植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話 韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。