長野・静岡県境の長野県側の秘境駅、中井侍(なかいざむらい)駅に停車する飯田線 (C)朝日新聞社
長野・静岡県境の長野県側の秘境駅、中井侍(なかいざむらい)駅に停車する飯田線 (C)朝日新聞社

「青春18きっぷ」でチャレンジしてみたい「長距離鈍行」の旅。普通列車に限らず、在来線における長距離列車はダイヤ改正ごとにその数を減らしている感があるが、そんななかから「運行距離」と「運行時間」に分けて、長距離普通列車をランキング形式で紹介する。今回は「運行時間」にスポットライトを当て、その実態と魅力を探ってみた。

【写真】1位は敦賀発播州赤穂行きの275.5km! 青春18きっぷで乗る長距離ランキング(運行距離編)

*  *  *

■1~6位を飯田線が独占

 結論から言うと、2019年3月改正のダイヤでは、「飯田線」が上位6位までを独占していることが明らかになった。

【第1位】飯田線の長時間運転普通列車

[1位]豊橋発14:42→岡谷着21:37/6時間55分(531M/205.2km)

[2位]上諏訪発9:22→豊橋着16:16/6時間54分(544M/213.7km)

[3位]豊橋発10:42→岡谷着17:33/6時間51分(519M/205.2km)

[4位]上諏訪発16:26→豊橋着22:48/6時間22分(622M/213.7km)

[5位]豊橋発16:42→上諏訪着23:02/6時間20分(539M/213.7km)

[6位]岡谷発15:46→豊橋着21:54/6時間08分(568M/205.2km)※辰野~岡谷・上諏訪間は中央本線

 飯田線は、南アルプスや中央アルプスなどが織りなす沿線風景のほか、「秘境駅」探訪など下車ポイントにも恵まれており、全線を乗り通すか途中下車を楽しみのんびりと進むかが悩みどころ。幸い、6本中2本(2位の544Mと3位の519M)は全区間が日中の運転なので、車窓を楽しむのにも向いている。

 東京圏からのアクセスを見ると、2位の544Mは中央本線の429Mとの接続が可能。429Mは八王子を6時35分に出発して松本までの208.0kmを走る長距離普通列車で、東京発5時22分の中央線普通列車高尾行き(土休日は5時18分発)からの乗り継ぎができる。ただし、飯田線544Mへの乗り換えは上諏訪ではなく岡谷なので注意が必要。544Mは429M到着前に上諏訪を発車しているが、岡谷で11分の停車時間があり、429Mが追いつくダイヤとなっているからだ。

 3位の519Mは東京発5時20分の東海道本線321M(沼津行き)でスタート。豊橋着は10時36分となり乗り継ぎが可能。ともに東京駅までのアクセスが悩みどころだが、中央本線と東海道本線の沿線からスタートするのであれば比較的使いやすいだろう。

次のページ
長距離列車は運転時間も長い