宗谷本線を走るキハ54形。ステンレス製だが“国鉄型”の気動車である (C)朝日新聞社
宗谷本線を走るキハ54形。ステンレス製だが“国鉄型”の気動車である (C)朝日新聞社

【第3位】旭川6:03発→稚内着12:08/259.4km(321D~4323D~4325D)

 第3位は宗谷本線全線を直通する唯一の普通列車がランクイン。旭川起点で最も早く稚内に着く列車でもあり、その点での利用価値も高い。上りの直通列車はないが、稚内18時04分発の4330Dが終点の名寄で334Dに接続し、旭川着は23時39分。稚内観光をしながら旭川~稚内間の日帰り往復も可能だ。  

 北海道では、根室本線滝川~釧路間308.4kmを8時間21分で走る2427Dが全国最長距離普通列車として知られてきたが、台風被害による区間運休が続いたのち、滝川~東鹿越(ひがししかごえ)間(9327D)と新得~釧路間(2427D)に分断されてしまった。滝川側は列車番号に臨時列車を示す9000番台が与えられており、今後の展開が気になるところだ。

伯備線を走る黄色い115系。夏の「18きっぷ」旅なら、写真のようなひまわり畑に出会えるかも!? (C)朝日新聞社
伯備線を走る黄色い115系。夏の「18きっぷ」旅なら、写真のようなひまわり畑に出会えるかも!? (C)朝日新聞社

■ほかのエリアにもまだまだ存在

 第4位以降を見ると、高尾発長野行き(245.0km/中央本線・篠ノ井線経由・441M)が続く。絶景列車としても推したい列車で、高尾発14時09分長野着18時53分と、夏場なら日中の運転で、ほぼ全域にわたり山岳風景などの車窓美が楽しめる。列車番号441Mは、かつて「上諏訪夜行」などとして「18きっぷ」ユーザーの定番列車だった列車と同じでもある。

 第5位は出雲市発岡山行き(220.7km/伯備線・山陰本線経由・288M~832M)。出雲市発17時52分岡山着23時10分と、夜間帯のため車窓は期待できないものの、陰陽連絡ルートを全線直通できる貴重な列車となっている。同区間を走る特急「やくも」とは異なる道行きを味わってみてはいかがだろう。(文・植村 誠)

○植村 誠(うえむら・まこと)/国内外を問わず、鉄道をはじめのりものを楽しむ旅をテーマに取材・執筆中。近年は東南アジアを重点的に散策している。主な著書に『ワンテーマ指さし会話 韓国×鉄道』(情報センター出版局)、『ボートで東京湾を遊びつくす!』(情報センター出版局・共著)、『絶対この季節に乗りたい鉄道の旅』(東京書籍・共著)など。