ピラプタンガ パンタナール(ブラジル)■オリンパス PEN Lite E-PL7・M.ズイコーデジタルED 9~18ミリF4.0~5.6・ISO400・絞りf4.2・200分の1秒
ピラプタンガ パンタナール(ブラジル)■オリンパス PEN Lite E-PL7・M.ズイコーデジタルED 9~18ミリF4.0~5.6・ISO400・絞りf4.2・200分の1秒

 パンタナールの源流が見たくて、ノブレスという町へ行った。そこで滝をさかのぼって水源の近くまで行くと、川の透明度は信じられないほど高くなった。 ここでは、ピラプタンガと金色のドラードという魚が有名だ。面白いのは、ときおりピラプタンガも金色に変わること。ドラードは強い魚なので、ピラプタンガは自分の身を守るためにときおりドラードに擬態するのだ。

 写真を撮った場所は水深3~5メートルくらいだが、川底までしっかりと見える。 川の流れが速いので、画面が動かないよう流れの緩やかな場所を探して体を固定し、カメラにハウジングをつけて半水面、半地上で撮影した。水温は19度くらいだったのでけっこう寒い。厚めのウェットスーツに手袋をして水の中にいたが、30分もしないうちに指先はしびれていた。

写真・文=岩合光昭

アサヒカメラ2019年7月号から

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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