カピバラ パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM-D E-M1 Mark II・M.ズイコーデジタル ED 40~150ミリF2.8 PRO・ISO400・絞り開放・40分の1秒
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カピバラ パンタナール(ブラジル)■オリンパスOM-D E-M1 Mark II・M.ズイコーデジタル ED 40~150ミリF2.8 PRO・ISO400・絞り開放・40分の1秒

  パンタナール南部の湖畔でカピバラを撮影していると、雨が降ってきた。とっさに雨を写し込みたいと思い、地面にはいつくばって暗い森を背景にしてカピバラの子どもを撮った。

 背中の毛がピンと立っているのは、冷たい雨に体温が奪われないよう、毛に空気を含ませているのかもしれない。ちなみに、この辺りの草は広範囲にわたって、カピバラに刈り取られていた。緑にまざって茶色い草がちらほら見えるのは乾期だからだ。

 カピバラはたいてい家族の群れで移動する。このときも近くに10頭くらいのカピバラがいた。父親たちはたいてい“イクメン”で、子どもたちの面倒もよく見て、天敵が現れるとまず母子を逃す、とても頼もしい存在だ。

写真・文=岩合光昭

アサヒカメラ2019年6月号より

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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