価格:オープン(税込実売13万4870円)。撮像素子:有効 2030万画素。大きさ・重さ:
<br />約130.4×93.5×77.4ミリ・約536グラム(バッテリーとメモリーカードを含む)
価格:オープン(税込実売13万4870円)。撮像素子:有効 2030万画素。大きさ・重さ:
約130.4×93.5×77.4ミリ・約536グラム(バッテリーとメモリーカードを含む)

 誰しも旗艦機への憧れは少なからずあるはずだ。しかし、価格面だったり、性能重視と堅牢性ゆえの大きさや重さだったりで諦めざるを得ない人も多いだろう。LUMIX G99の目指すところは旗艦機G9 PROの高画質・高性能・高操作性を継承しつつ、ポータブルなボディーと手にしやすい価格にしてユーザー層の間口を拡大することにある。

【このカメラで撮られた写真はコチラ】

操作系レイアウトはG9 PROと異なるがサブ機として一緒に使っても違和感ないだろう。シャッターボタン手前の一直線レイアウトの3連ボタンは、形状や突起などが異なる感触で、手探りで目的の機能を押せるのはG9 PRO譲り。また、3.0型、約124万ドットのタッチパネル液晶を搭載。Gシリーズでは最も高精細で、撮影時はもちろん、撮影画像の細部チェックもはかどる。
操作系レイアウトはG9 PROと異なるがサブ機として一緒に使っても違和感ないだろう。シャッターボタン手前の一直線レイアウトの3連ボタンは、形状や突起などが異なる感触で、手探りで目的の機能を押せるのはG9 PRO譲り。また、3.0型、約124万ドットのタッチパネル液晶を搭載。Gシリーズでは最も高精細で、撮影時はもちろん、撮影画像の細部チェックもはかどる。

 立ち位置を明確にするためか、G99は旗艦機G9 PROと性能的な差がつけられている。一番の違いは人体認識AFがないこと。また撮像素子は有効画素数2030万画素 LiveMOSセンサーという点では同じでも、組み合わせる映像処理エンジン(ヴィーナスエンジンの世代)も含めG9 PROと共通ではない。絵づくりの傾向はG9 PROとそろえた設計だが、センサーの読み出しのスピードが異なるという。その関係でコントラストAF+空間認識によるAFは約0.07秒(G9 PROは約0.04秒)。また連写性能はAF追従なしのAFS約9コマ/秒、追従ありのAFCで約6コマ/秒で、G9 PROより秒3コマ分及ばない。ただし、前モデルのG8(1600万画素)と同じコマ速である。ちなみにシャッター速度もG8と同じ最高4000分の1秒だ。

新機能ライブビューコンポジットは車のヘッドライトやテールランプの光跡や星の軌跡の比較明合成撮影をライブビューで仕上がりを確認しながら撮影できる、オリンパスのライブコンポジットと同様の機能だ。イルミネーション、夜景、星景、花火、ペンライトの書き文字撮影など、楽しみが広がる撮影モードだ●LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6IIASPH./POWER O.I.S.(H-FSA14140)・46ミリ時・ライブビューコンポジット(絞りf13・1秒)・ISO200・AWB・JPEG
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新機能ライブビューコンポジットは車のヘッドライトやテールランプの光跡や星の軌跡の比較明合成撮影をライブビューで仕上がりを確認しながら撮影できる、オリンパスのライブコンポジットと同様の機能だ。イルミネーション、夜景、星景、花火、ペンライトの書き文字撮影など、楽しみが広がる撮影モードだ●LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6IIASPH./POWER O.I.S.(H-FSA14140)・46ミリ時・ライブビューコンポジット(絞りf13・1秒)・ISO200・AWB・JPEG

 センサーシフト式のボディー内5軸の手ブレ補正を搭載し、レンズ側の手ブレ補正機構と協調して5段の効果(G9 PROは6.5段)を発揮する。撮像素子を微動させ複数画像を撮影して高解像度画像にするハイレゾモードは非搭載。ほかには動画撮影モードの通常最高画質は4K/30P(G9 PROは4K/60P)、ハイスピードムービーの最高画質がフルHDにとどめられている点などの差がある。しかしこれらの機能が必要ないユーザーが多いのも事実。特に連写性能は一般的な撮影には十分で、かなり速い動体撮影もこなせる。

4K/30p(8ビット)動画記録のLog撮影に対応。他のLUMIXのように別途ライセンスを購入する必要はない。外部マイク端子、イヤホン端子なども装備しており、動画撮影用の基本性能が充実。ちなみに4K撮影は温度の制限はあるが記録時間の制限はない。
4K/30p(8ビット)動画記録のLog撮影に対応。他のLUMIXのように別途ライセンスを購入する必要はない。外部マイク端子、イヤホン端子なども装備しており、動画撮影用の基本性能が充実。ちなみに4K撮影は温度の制限はあるが記録時間の制限はない。

 白黒フィルム調のクリエイティブコントロールのL.モノクロームDおよび粒状効果の設定も可能になっている。一方、最新型ゆえに新しい機能・性能もある。なかでも比較明合成撮影を液晶モニターで確認しながら撮影可能なライブビューコンポジット機能は楽しい。

AF速度は数値上G9 PROに約0.2秒及ばないとはいえ、体感的にはほとんど変わらず十分に速い。水飲みのシーンは地上のため警戒心が強く木の上でクルミや種子を食べているときよりもチャンスが短いことが多いがAF合焦が素早いのでしっかり撮影できた。なお、14~140ミリキットレンズは、型番がH-FS14140からH-FSA14140になり防塵・防滴仕様になった●LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6IIASPH./POWER O.I.S.(H-FSA14140)・140ミリ時・AE(絞りf5.6・800分の1秒・+0.3補正)・ISO2000・AWB・JPEG
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AF速度は数値上G9 PROに約0.2秒及ばないとはいえ、体感的にはほとんど変わらず十分に速い。水飲みのシーンは地上のため警戒心が強く木の上でクルミや種子を食べているときよりもチャンスが短いことが多いがAF合焦が素早いのでしっかり撮影できた。なお、14~140ミリキットレンズは、型番がH-FS14140からH-FSA14140になり防塵・防滴仕様になった●LUMIX G VARIO 14-140mm/F3.5-5.6IIASPH./POWER O.I.S.(H-FSA14140)・140ミリ時・AE(絞りf5.6・800分の1秒・+0.3補正)・ISO2000・AWB・JPEG

 ボディーサイズはG8とほぼ同等。小さいとはいえ、小指までしっかり握れるグリップのハンドリングは良好で、USB充電/給電が可能なので、旅行などでも頼もしいパートナーとなるはずだ。

写真・文 宇佐見 健

アサヒカメラ2019年5月号より抜粋