■自然災害から奇跡の復活!

 廃線や休止、車両の引退は悲しいが、なかには奇跡の復活を遂げた路線もある。

 NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」で人気となった三陸鉄道は、JR東日本から移管された山田線(宮古─釜石間)の運行を今年3月に開始した。震災で線路などが流出してから8年。地元住民の努力と多くの人の支えで、久慈市から大船渡市までの沿岸部レールが一本でつながった。東北沿岸部の名物を維持するため、「応援鉄」としてぜひ乗ってほしい路線だ。

「5月は沿線のカキ小屋の営業シーズン。沿岸部の風景を楽しみながら、食事も最高です。付近では宿泊施設が現在でも不足しているので、宿は事前に予約しておきましょう」(同)

 16年の熊本地震の影響で運行休止していた南阿蘇鉄道は同年7月に中森─高森間で運転再開。現在でも全長17.7kmのうち10.5kmが未開通だが、22年度中の全線再開を目指している。

 宮崎県北部の高千穂鉄道高千穂線は、05年の台風被害で全線が運行休止。そのまま廃線となったが、08年に作家の高山文彦さんら有志が「高千穂あまてらす鉄道」を設立。観光客向けのトロッコ車両として復活し、13年には、日本一の高さ(105m)に架かる高千穂鉄橋を渡れるようになった。往復5.1kmの短い区間だが、毎年2万人以上の観光客を集めている。

駅のホームの眼前に海が広がる下灘駅(撮影/蜂谷あす美)
駅のホームの眼前に海が広がる下灘駅(撮影/蜂谷あす美)

■何もない無人駅が人気爆発 JR四国・下灘駅

 JR四国の無人駅「下灘駅」(愛媛県伊予市)は、絶景スポットとして鉄道ファンでは知らない人がいない存在となった。眼前に夕日が沈む海を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごす。ただそれだけなのだが、普通列車が1日乗り放題の「青春18きっぷ」のポスターに採用されたり、観光客がインスタグラムで紹介したりしたことで人気に火がついた。今では世界中から観光客が集まっている。

「14年からは、観光列車『伊予灘ものがたり』が運行され、人気を集めています。レストラン列車でもあるので、食事予約券(乗車日の4日前まで)を購入すれば地元料理も楽しめます。GWは切符の確保が難しいと思いますが、キャンセルも出ますので、あきらめずに挑戦してみてください」

 JR四国は、瀬戸大橋を渡る本四備讃(ほんしびさん)線(瀬戸大橋線)以外の全線が赤字で、経営の安定化が大きな課題となっている。たくさんの人の支援が必要だ。

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日本一ウマい駅そば