旅の概念が変わる　美しき「プロトラベラー」という生き方

　スケジュールはかなりハードだが、旅そのものでも時には苦労することもあるという。

「スリランカはあまり観光地化されていないので、国内をめぐるにはローカルの人が乗る普通のバスを利用するんです。豪華な観光バスなんかないんですね。それで、ガタガタの道を5時間以上乗って移動するのはつらかったですね。あと、タイからノルウェーに直接移動したことがあるんですが、荷物が大変でした。夏の衣装と冬の服や防寒グッズを一緒のトランクにギューギュー詰めて（笑）。しかも、写真を撮るから着替えも多くなるので。全部で10日の旅でしたが、タイで3日、ノルウェーで3日、あとは移動っていう感じで、さすがに大変でした」

■今後行きたい場所はアフリカと南米

「私、食べ物の好き嫌いは全然ないので、その苦労はあまりしたことないですね。“郷に入れば郷に従え”で、現地のものを食べます。旅行中に日本食は全く食べないですね。虫系も結構いけますよ。サソリを食べたこともあります。でも、パラオに行ったときにレストランで隣の人が注文していたコウモリのスープだけは無理でしたね。白い液体に真っ黒なコウモリがそのまんま入っているんですよ。あれはちょっと……」

　健康的な羽石さんのイメージから、南国旅行が多いと思っていたが、ヨーロッパなどの都会も旅している。

「実はパリは1度しか行ったことがないんですが、今年のお正月に行きました。ヨーロッパは旧市街とそれ以外がはっきり分かれていて、私たちが思い描く“ヨーロッパ”というイメージは旧市街にあって、それ以外は東京と同じようなビルが立ち並んでいるところが多いんですが、パリは旧市街の範囲が広くて、どこまで行っても写真映えするおしゃれな街並みでしたね」

　最後に、これから行ってみたい場所を聞いてみた。

「まだアフリカと南米はほとんど行ってないんです。今年中にその二つの土地に行きたいです！」

撮影・写真コメント＝羽石杏奈

※アサヒカメラ2019年4月号より抜粋