グループ旅行では「Positive」(ポジティブ)な感情よりも、「Negative」(ネガティブ)な感情をケアするほうがうまくいく。

5、「次はない」と思うこと
 旅行で「次に来たときに」とか「今度にでも」と思うのは厳禁である。

(イラスト/majocco)
(イラスト/majocco)

 前回の記事でウユニ塩湖の鏡張り現象を見られる確率がハイシーズンでも2分の1程度だという説があると書いたが、以前に現地ガイドから興味深い話を聞いた。

「もし鏡張り現象を見られなかったとしても『また来てください。次はきっと見られます』って元気づけることがあるんです。でもある程度の年齢がいっている方の場合には簡単に言えませんよね」

 ガイドさんの身になってみれば、どんなに重苦しい現場なのか想像に難くない。

 そもそも、ウユニ塩湖に限らず旅行の場合、たった1回の旅行のために数十万円をつぎ込んで来ることもあるわけで、今経験していることを2度も3度もできるような人はめったにいないのだ。そして同じタイミングで外国に来る、出会うというのが奇跡だと思う。

 だからこそ、今を大事にして旅に集中してもらいたい。そして、グループ旅だとその記憶を参加した人で共有できるというメリットがある。こうした思い出の共有はかけがえのない財産、「eternal memories」(永遠の思い出)となるだろう。

(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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