40歳で白血病宣告され、解雇 無菌室から復帰した世田谷の人気ラーメンカフェ店主

連載「ラーメン名店クロニクル」

井手隊長dot.#ラーメン
店主・飯野浩史さん(筆者撮影)

店主・飯野浩史さん(筆者撮影)

 競泳女子の池江璃花子選手が2月12日に自身のTwitterで白血病であることを告白し、世界中から続々と応援のメッセージが集まっている。その1週間後の19日には、タレントの堀ちえみさんがブログで舌がんの手術をすることを明かした。このニュースを見ていて、あるラーメン店主のことを思い出した。

 世田谷の馬事公苑にある「RAMEN CAFE de IINO」は店主・飯野浩史さん(45)の「ゆっくりくつろいでほしい」という思いから、コーヒーやスイーツなども提供する、小型犬同伴可の一風変わった“カフェスタイル”のラーメン屋さんだ。

【写真】飯野さんがつくるラーメン、闘病時の様子など(全5枚)

 毎日笑顔でラーメンをふるまう飯野さんだが、実は4年前に白血病を宣告された。ラーメン屋として、独立しようとしていた矢先の病気発覚だった。
「RAMEN CAFE de IINO」店内(筆者撮影)

「RAMEN CAFE de IINO」店内(筆者撮影)


 40年以上続く老舗の日本蕎麦屋の息子として育った飯野さん。お店では蕎麦だけでなくラーメンも提供していたこともあり、父親に連れられ、麺類の食べ歩きをする子ども時代を過ごした。

 ドラッグストアのエリアマネージャー、大手焼肉チェーンのスーパーバイザー、保険関係といろいろな仕事をしてきたが、自分でも商売をやりたいという思いから都内の某有名ラーメン店で働くようになる。2011年2月、37歳の時だった。

 修行を始めて4カ月が経ったある日、友人から店を開きたいと相談を受ける。いつかは自分のお店を持ちたいと思っていたこともあり、お店の立ち上げにかかわることを決意した。原宿にオープンしたラーメン店で飯野さんは店長となる。

 しばらくはそのお店でラーメンを作っていたが、12年8月、古巣の有名店から「大型商業施設にオープンする新店を手伝ってほしい」という連絡がくる。10月、飯野さんは副店長として再び古巣のお店に立つことになる。半年後には店長に昇格。お店が2年契約ということもあり、2年間勤務したら独立しようと考えていた。

 独立を見越して準備をしていた14年4月、飯野さんの体に異変が起こる。

 背骨が痛く、腰痛のような症状がなかなか取れない。ラーメン店の仕事はハードではあるが、それにしてもおかしい。あまりにも体調が悪い日が続いたため、病院で血液検査をすると、思ってもみない結果を告げられた。

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40歳、白血病、無職に。

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