「スマートフォンで長い編成を撮る方法は?」の質問者が撮影した写真
「スマートフォンで長い編成を撮る方法は?」の質問者が撮影した写真

■Q スマートフォンで長い編成を撮る方法は?(東京都・MKの小部屋さん)

助川:スマホのカメラは広角なので、標準レンズや望遠レンズになるアタッチメントを買えばいいんじゃないですか。全部を広角で収めようとすると、列車の頭は小さくなるし、写真としても面白くないんです。でも、それは電車の端から端まで全部入れようとして、しかも電車に寄るからなんですよね。離れて標準・望遠レンズで撮ればいいと思います。

櫻井:スマホで作品を撮ろうというのはちょっとね。たとえば動画で撮る。どんなに長い編成でも大丈夫ですよ。

助川:あれ?この写真は7両?

櫻井:あ、本当だ。

助川:この写真の問題は連写ができないためにシャッターチャンスを選べないことですね。列車の位置がまだ奥過ぎます。

櫻井:東大コンプレックスではない?(笑)

助川:駅ホームでの撮影のコツとしてはしゃがむこと。ローアングルにすることで迫力が出ます。スマホの利点は網があっても隙間からレンズを向けられることなんですよね。細かい網でもいけます。フェンスが多いですからね。

◯櫻井 寛/さくらい・かん
1954年、長野県生まれ。鉄道員にあこがれ昭和鉄道高校に入学したが、在学中に鉄道写真にみせられ、日本大学芸術学部写真学科に進む。卒業後、出版社写真部勤務を経て、90年にフォトジャーナリストとして独立。93年、陸路海路のみで88日間世界一周。94年、『鉄道世界夢紀行』で第19回交通図書賞を受賞。近著『ぞっこん鉄道今昔』(朝日新聞出版)など著書多数。日本写真家協会会員、東京交通短期大学客員教授。

◯助川康史/すけがわ・やすふみ
1975年生まれ。秋田経済法科大学法学部卒業。東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後、鉄道写真家の真島満秀氏に師事。鉄道車両が持つ魅力だけでなく、鉄道をとりまく風土やそこに生きる人々の美しさを伝えることをモットーに日本各地の線路際をカメラを手に奮闘中。「鉄道ジャーナル」「鉄道ダイヤ情報」などの鉄道趣味誌や旅行誌の取材をはじめ、「JTB時刻表」「JR時刻表」の表紙写真を手がける。日本鉄道写真作家協会理事。

(聞き手・文/佐々木広人 取材協力/鉄道コム

※「アサヒカメラ」2月号から抜粋