路地裏ではカラフルなアパートやマンションが密集し、ヒジャブを被った女性たちの井戸端会議、登下校中の制服姿の子供たち、チェスに興じるおやじ集団、時折風に乗って漂ってくるスパイシーな料理の香り……と、生活感丸出しの様子が垣間見られる。エキゾチックな褐色の肌を持つ人々は一見無表情なのだが、目が合うとはにかんだ仕草でシャイな笑顔を向けてくれるのもいい。


 食事は旅の良し悪しを大きく左右する重要な要素だが、おいしくリーズナブルなレストランはいくらでもある。インドやスリランカに影響を受けたモルディブ料理は、フィッシュカレーが絶品。筆者がマレを訪れる度に必ず行くスリランカレストラン「ランカホテル」では、各種カレーの他、スリランカ名物・ロティを金属のコテで刻んだ「コットゥロティ」、米粉とココナッツミルクを混ぜて大きなお椀状に焼いた「ホッパー」がおすすめだ。5種類ほど料理をオーダーしても12、3ドルと非常に安い。

 リゾート気分を味わいたいなら、空港と直結したフルマーレ島へ行くといい。マレからフェリーでアクセスするか(約20分5.5ルフィア)、空港から直通のバスで移動する。マレの人口過密を分散させるために開発された人工島なのだが、東岸には美しい白砂のビーチが広がり、1泊80~100 ドル程度のリーズナブルなホテルが次々にオープンしている。島ではシュノーケリングやダイビング、ドルフィンウォッチングなど様々なエクスカーションが用意されているが、どれも50ドル前後~と、高級リゾートの半額近くで参加でき、お得感満載だ。

 離島のイチオシは、空港から少し南下した場所にあるマーフシ島。2010年にモルディブ初のゲストハウスがオープンして以来、旅行者の数はうなぎのぼり! 今では、約40分で一周できてしまう小さな島に50件以上のゲストハウスや格安ホテルが軒を連ねている(大体50ドル程度~)。マレからジェットボートで約30分(25ドル)、またはフェリーで約2時間(2ドル)で到着するが、筆者は安さを追求しフェリーを選択。貨物の山に埋もれつつ到着した島は、白砂未舗装の素朴な楽園!

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高級リゾートを満喫する2つの裏技