日本人にとっては、自分が上手に時間を管理して、その結果生まれた隙間に海外に行ってリフレッシュするなど、限られた時間のなかで海外に行く計画を立てることも含めて楽しみになっているように思うのだ。どうもこのあたりには、言葉だけではない、感覚的な乖離があるように思えてならない。


(イラスト/majocco)
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 その後もリサーチを重ねてみると、さきほどのニューヨークからニュージャージーのような国内旅行や、カリフォルニアの若い男性がメキシコのティファナ(歓楽街があることで知られている)に週末に1泊で行くことなどはあるようだが、やはり異文化圏に短期間で旅行するという感じではない。海外、特に欧米の人には「日本から週末に弾丸で台湾行ってきた」みたいな時間管理を工夫しての旅感覚はあまりないようだ。

 さて、社会人であれば楽しい息抜きのイメージが先行しがちな週末海外だが、リスクだってある。飛行機が欠航したら月曜の仕事に間に合わないという事態もありうるので、会社に内緒というのは、さすがにリスクが大きいかもしれない。そのあたりは想定しておくべきだろうが、遅れても1日ぐらいである。あまり恐れずに積極的にチャレンジしてもらいたい。(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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