保護犬だった生吹ちゃん。頭頂部にやけどのような傷跡があり、紫外線から守るために帽子を購入した
保護犬だった生吹ちゃん。頭頂部にやけどのような傷跡があり、紫外線から守るために帽子を購入した

 うだるような暑さが続いている。総務省によれば、7月9日から15日の一週間で熱中症で救急搬送された数は全国で9956人。前週の3倍を超える数だ。だが、照りつく太陽の影響を受けるのは人間だけではない。犬やも同じで、毎夏熱中症で動物病院に運ばれる犬が多いという。そして、熱中症以外にも問題になっているのが「犬のやけど」だ。真夏には60度を超えるアスファルトを素足で歩く犬の肉球は、もはや悲鳴を上げている。さらに、地面に近いため紫外線の照り返しを受けやすく、白内障の原因にもなるという。そんな犬の暑さ対策に、実は「おしゃれ」が効果的とされている。真夏を少しでも快適に過ごすために、飼い主も知っておきたい“わんダフル”な対策とは?

【紫外線も怖くないわん! 暑さ対策にぴったりなアイテムは?】

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 鮮やかな色のボーダー柄タンクトップに、ちょっと大きめのサンバイザー。可愛い服を着て飼い主の隣を歩く犬の姿に目を奪われる。最近ではサングラスをつけたり、4本足にしっかり靴を履いている犬も見かけるようになった。

 都内のドッグランではお揃いの洋服を身に着けた犬たちがじゃれ合い、溌剌と駆け回る。また、最近ではバギーに犬を乗せて歩く飼い主の姿も増えた。ひょっこり顔を出す姿は自然と笑みがこぼれる可愛さだ。

 実はこれ、ただ着飾っているわけではない。

「地表面の温度が43度を超えると肉球のやけどリスクが出てきます」と話すのは、犬の社会課題を獣医学研究者と共に考えるブランド「docdog」の丸山佳那さんだ。docdogが愛犬家300人に実施したアンケートによると、76.7%の飼い主が散歩時の暑さ対策を行っていると答えたのに対し、肉球のやけど対策をしていると答えたのはわずか11.7%にとどまった。

真夏の地面は想像以上に熱くなる(docdog提供)
真夏の地面は想像以上に熱くなる(docdog提供)

「犬だから外で楽しめるとは限りません。かつては土や芝生などの歩きやすい環境を選んでいましたが、今の歩道はほとんどがアスファルトで、マンホールもあります。人間のライフスタイルが変わったように、犬を取り巻く環境も変わっています」

 と、丸山さんは指摘する。

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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