――SKE48には10代、20代の方が多いじゃないですか。あんまり病気知らずというか、多少の無理は平気な年ごろ。

 そうですよね、健康な時期です。だけど、私が乳がんになったのを見て、「私も検査に行かなきゃ」って全員が思うのも違うと思うんです。みんながマンモグラフィとかしちゃうと病院が大パニックになってしまう。でも、私がセルフチェックで乳がんに気づいたように、身体からサインが出ることもある。それで気になったら相談して、病院に行ってというのがいいのかなと思いますね。

 女の子って色々と身体に気を使わなければいけないことも多いのかなと思っています。自分が知れる範囲で本やネットで情報を得て、生きていく中で最低限のことは知っておいたほうが自分のためになるのかなって。

「私は大丈夫」って思っている方も、もちろん大丈夫な方もいると思うんですけど、大丈夫だって思って、がんで亡くなってしまった方も知っています。「私は大丈夫だ」っていうのも大事だけれど、もしものことを考えて地域でやっている無料検診とかに行ってみるのもいいのかなとも思いましたね。手遅れが一番怖いです。

■プライベートも病気に結びつけて「負けるな」 ちょっとストレス

――そういえば、以前「頑張るのが嫌い」っておっしゃっていました。

 「病気に負けるな」、「頑張って」って言われるのがすごく多いんです。私も頑張ってるけど、私以外の普通に過ごしている人もみんな頑張っているからって思うんです。それと、昔お世話になった方に「頑張ってるのはみんな当たり前だから、頑張るって言葉は使うな」って言われて、「確かにな」って思ったのもあります。

――病気を公表したときに一番多いメッセージは「頑張って」ですか。

 実際に自分が病気になって、過去に病気を経験された方や今病気と闘っている方がテレビに出ていても、頑張ってるところを見てほしいわけじゃないなって思ったんです。「自分はこういう風に生きています」ってただ見せているのかなって。公表してから、すべてを病気と結び付けて「負けるな」ってつなげられちゃうことが多いんです。それが、個人的なストレスにもなりかけていて。

SKE48時代の一コマ / (C)株式会社TYK Promotion
SKE48時代の一コマ / (C)株式会社TYK Promotion

「ブログを更新している限りは元気だって思ってください」って伝えたいですね。更新しないから元気じゃないわけではないけど……。でも、「楽しい」って書いていたらそれが私の気持ちだって受け取ってほしいなって。たまに治療でしんどいときは、しんどいって書こうと思っているし、「無理しないで」って声をかけてもらうけど、「無理してないのに!」って(笑)。きっと受け取り方はそれぞれで、違う意味に捉えちゃう人もいると思うんですけど、自分らしくいこうとは思っています。

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乳がんの完治は10年。その先で手にしたいもの