難関国立大の合格実績は、よく知られているように中高一貫校が強い。では、わが子を難関国立大に合格させるために選ぶべき中高一貫校はどこか。現在発売中の「カンペキ中学受験2018」(朝日新聞出版刊)では、2016年のデータを基に、首都圏中高一貫校の東大、京大、東工大、一橋大合格率を算出している。過去10年間で合格者数を伸ばしている中高一貫校のランキングと併せて、学校選びに役立ててもらいたい。

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■上位は男女別学校が強い 共学では渋幕、学芸大附

 合格率は、その高校からの4大学への合格者÷卒業生数×100で算出した。まずは表1を見ていただきたい。トップは筑波大附駒場で67.28%だ。3人に2人が難関国立大に合格したことになる。内訳をみると東大合格者が102人で合格者数合計の93.6%を占め、東大に強いことがわる。2位は昨年の7位から躍進した栄光学園で50%。この2校が5割を超えた。

 3位は開成の49.62%だ。開成の内訳を見ると、東大に170人で、35年連続日本一の合格者数だ。合格者合計に占める割合も85.9%だった。

 以下、聖光学院、麻布、駒場東邦と男子校が続き、7位に共学校のトップの渋谷教育学園幕張が入った。8位は昨年の14位から躍進した女子校の女子学院。なかでも京大には18人が合格し、東日本トップの合格者数だった。公立トップは18位の千葉・県立。公立一貫校も実績をアップさせている。

 合格者数で見ると、開成が198人でトップだが、率で見ると筑波大附駒場がトップになる。合格者数だけを見ていたのではわからない。さらに、大学別の合格者数にも特徴が出ている。内訳を見ると、10位の浅野は東大が30人だが、それ以外の大学に強い。京大3人、東工大28人、一橋大23人で計54人も合格している。国立大は同じ日程では併願できないから、合格者数はすべて実数になる。

 最近、人気が上がっているのが京大だ。首都圏からの合格者が増えている。女子学院だけでなく、千葉・県立14人、麻布13人、開成と武蔵がともに11人、栄光学園10人などだ。京大の自由な校風に魅せられる受験生が多いということだろう。それに加えて、ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授が在籍していることも大きい。

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安田賢治
安田賢治

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