2017年大会で優勝し、3連覇を達成した青山学院大 (c)朝日新聞社
2017年大会で優勝し、3連覇を達成した青山学院大 (c)朝日新聞社

「正月の風物詩」というレベルでは語れないほど、国民的一大イベントとなった箱根駅伝。どの大学が先にたすきを渡すのか、どれほどのデッドヒートが繰り広げられるかを見るのは楽しい。自分の母校が出場すればなおさらだ。平成の最強校はどこか。開催迫る第94回大会を前に、教育ジャーナリストの小林哲夫氏が過去25年の成績をもとに解説する。

【ランキング表】箱根駅伝 平成の最強校はここだ

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 次の箱根駅伝は、どの大学が強いのか。

 2015年から3連覇中の青山学院大だろうと、思われるかもしれない。しかし、直近に行われた大学駅伝(出雲全日本大学選抜=10月、全日本大学=11月)では、東海大、神奈川大が優勝している。青学が盤石、とは言い切れないようだ。

 そもそも駅伝は、どんな強豪校でも「絶対優勝」とは予測し難い競技だ。走者10人のうち1人でも脱水症状を起こしてペースダウンすれば、順位は入れ替わってしまうからだ。したがって、もともと好記録を持つ選手がそろって絶好調であることが条件になる。優勝を狙える大学は、選手が入れ替わっても強さを発揮できる育成システム、そして有望な選手を集めるシステムが確立しているところだ。

 最近25年間(1993~2017年)の成績を集計してみた。各大会のベスト10を、上位から高い点をつけて傾斜的に配分した(1位10点、2位9点……9位2点、10位1点)。まもなく終わりをつげる平成時代の箱根駅伝最強校を見てみよう。

 1位駒澤大は、優勝6回(2000、2002~2005、2008年)、2位7回。指導歴20年以上を数える大八木弘明監督は選手集めと育成に定評があり、近年は名伯楽と呼ばれるようになった。

 2位早稲田大は優勝2回(1993、2011年)、準優勝5回。3位2回、4位3回、5位3回と、毎年上位をしっかりキープしている。

 3位中央大は優勝1回(1996年)、3位4回、4位7回などかなり手堅い。今大会で出場回数は91回となる。前回大会は予選落ちで出られず、連続出場の記録が87回で途切れてしまった。このとき、1年生主将は号泣しながらこう言った。

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箱根駅伝の平成の強豪校は? 最強校ランキング