2016年の全国社長の平均年齢は、前年より0.3歳上昇し61.19歳に達した。団塊世代の社長交代が進まず、高齢化が顕著になった。社長の年齢上昇に伴い業績が悪化する傾向も強まっている。

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社長の平均年齢推移(東京商工リサーチ調べ)
社長の平均年齢推移(東京商工リサーチ調べ)

 ビジネスモデルの劣化や後継者難などで事業承継が難しい企業は、自主的な休廃業・解散にも繋がり、2016年の休廃業・解散は過去最多の2万9583件を記録している。

 社長年齢の上位県には東北、四国など人口減少率の高い地域が並び、人口が減少する中で企業の新陳代謝が進まない地方の窮状も透けて見える。地域経済の活性化を着実に進めるためにも、円滑な事業承継への取り組みが急がれる。

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■年齢分布70代以上の比率上昇が目立つ

 16年の社長の年齢分布は、60代の構成比が33.99%で最も高かった。70代以上では2011年は19.38%だったが、2016年は24.12%と4.74ポイント上昇し、70代以上の増加が目立つ。

 一方、30代以下は、2015年に3.77%と4%を割り込み、2016年は3.46%にまで落ち込んだ。

社長の年齢分布(東京商工リサーチ調べ)
社長の年齢分布(東京商工リサーチ調べ)

■年齢別企業業績70代以上は減収率、赤字率がワースト

 年齢別の業績分布をみると、相関関連が鮮明に出ている。最新期と前期の売上高比較では、年齢の上昇に伴い減収企業率も上がり、70代以上は47.80%に達している。

 また、赤字(当期純損失)企業率は、70代以上は最新期が21.34%、前期が20.50%を占め、連続赤字も10.84%といずれも各年代比較でワーストになっている。

社長年齢別 増減収率(東京商工リサーチ調べ)
社長年齢別 増減収率(東京商工リサーチ調べ)

■都道府県別ランキング平均年齢の最高は高知県の63.21歳

 都道府県別では、30都道県が全国平均の61.19歳を上回った。社長の平均年齢のトップは高知県の63.21歳で、前年の62.79歳から0.42歳上昇した。次いで、岩手県の63.02歳(前年62.69歳)、秋田県の62.97歳(同62.55歳)の順。

 年齢の上位の県は総務省統計局の人口推計(2014年10月1日現在)における「都道府県別人口増減率」の減少率上位とほぼ同じ顔ぶれで、人口減少が新設開業の低迷や事業承継の難しさを反映しているとみられる。

 一方、平均年齢が低かったのは大阪府の59.92歳(前年59.68歳)。平均年齢が60歳を下回った都道府県は、2015年は愛知県(59.94歳)、沖縄県(59.85歳)、広島県(59.74歳)、滋賀県(59.71歳)、大阪府の5府県だったが、16年は大阪府のみとなった。

都道府県別 社長の平均年齢(東京商工リサーチ調べ)
都道府県別 社長の平均年齢(東京商工リサーチ調べ)
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