冒頭にとりあげた亜細亜大は4位(15人)。前記4人のほか、今年セ・リーグのファイナルステージでDeNAに敗れた広島にはなんと出身選手が5人もいる。セ・リーグ2年連続優勝に貢献しMVP最有力候補の薮田和樹、かつてリリーフエースだった永川勝浩、ほかに九里亜蓮、岩本貴裕、飯田哲矢である。広島と亜細亜大は相性がいいらしい。

 駒澤大(5位、13人)には、各球団で中軸となる選手がみられる。今永昇太と戸柱恭孝のバッテリー(DeNA)、阪神から出戻り移籍してリーグ連覇を支えた新井貴浩(広島)、大島洋平(中日)などだ。長年、チームを支えてきた梵英心(広島)、武田久(日本ハム)は退団が決まり、現役続行に向けて新天地を求めている。

 中央大(6位、11人)出身は巨人選手が目立つ。捕手から一塁手に転向した阿部慎之助、代打での起用が多い亀井善行、かつてのリリーフエースも今年は出番がなかった沢村拓一が中央大出身だ。

 プロ野球選手輩出少数派の大学にもキラリと光る選手が少なくない。

 DeNAを日本シリーズ進出に導いた右腕、井納翔一は上武大。2016年ドラフト1位で新人賞候補の濵口遥大(10勝6敗)は、神奈川大の出身だ。

 八戸大(現・八戸学院大)の秋山翔吾(西武)はパ・リーグ首位打者(.322)に輝いた。シーズン歴代最多安打記録(2015年、216本)の保持者でもある。広島経済大の柳田悠岐(ソフトバンク)は、2015年に打率.363、34本塁打、32盗塁で3割、30本、30盗塁のトリプルスリーを達成した。

 九州共立大の大瀬良大地(広島)は、今年は10勝2敗の好成績。中京学院大の菊池涼介(広島)は、2017年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の好守備で世界を驚かせた。

 三重中京大の則本昂大(楽天)は、8試合連続2桁奪三振、パ・リーグ4年連続最多奪三振(2014~2017年)という記録を打ち立てた。母校は残念ながら2010年に募集停止となり、2013年には則本を含めた最後の卒業生を送り出し閉学となった。しかし、則本が大活躍をして彼の名がプロ野球史に刻まれることで、三重中京大という名前は永遠に残るだろう。

 プロ野球の名プレーヤーから大学の名前が思い浮かぶ。大学にすればこれほど幸せなことはない。(教育ジャーナリスト・小林哲夫

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