日本シリーズ第2戦7回ウラ、本塁でのクロスプレーはビデオ判定でセーフになった。捕手の戸柱恭孝は駒澤大学、走者の今宮健太は明豊高校出身 (c)朝日新聞社
日本シリーズ第2戦7回ウラ、本塁でのクロスプレーはビデオ判定でセーフになった。捕手の戸柱恭孝は駒澤大学、走者の今宮健太は明豊高校出身 (c)朝日新聞社

 日本シリーズが28日に開幕した。選手の出身校に注目してみると、プロ野球の熱戦も一味違った楽しみ方ができる。「大学ランキング」(朝日新聞出版)では、選手の出身大学を毎年調査している。最新版のセ・パ12球団の出身大学ランキングをもとに、教育ジャーナリストの小林哲夫氏が解説する。

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 大差での勝利の次は逆転勝ちと、ソフトバンクがホームでDeNAに2連勝して始まった日本シリーズ。実はともに亜細亜大の選手が主力という共通点がある。ソフトバンクは強打者の松田宣浩(24本塁打、打率.264)が1戦目に2安打と活躍したが、2戦目に先発した最多勝投手の東浜巨(16勝5敗)は6回途中でリードを許し降板している。一方、DeNAはチャンスに強い捕手の嶺井博希(打率.248)が初戦の先発マスクをかぶったが2戦目は出番なし。守護神、山崎康晃(4勝2敗26セーブ)は残念ながら2戦目までは出番がない(カッコ内は2017年度の成績)。彼ら亜大OBの活躍が、日本シリーズの流れを決めるかもしれない。

 2017年度のプロ野球選手の出身校を調べてみる(各球団ウェブサイトから集計)と、上位には東京六大学、東都大学、首都大学といった大学リーグでの強豪校が多く見られる。ランキング上位校のおもな出身者をみてみよう。

 早稲田大(1位、20人)には、今年2000本安打を達成した鳥谷敬(阪神)、シーズン17本塁打を放ちCSファイナルステージ進出の原動力となった茂木栄五郎(楽天)、2015年に9勝を挙げた福井優也(広島)、2年連続2桁勝利の有原航平(日本ハム)、ベテランとして若手を引っ張る和田毅(ソフトバンク)や武内晋一(ヤクルト)などがいる。なかなか波に乗れない「ハンカチ王子」の斎藤佑樹(日本ハム)、6球団競合したがまだシーズン通しての活躍ができていない大石達也(西武)も福井と同期の早稲田大出身だ。

 東海大(3位、17人)からは今年、タイトルホルダーが生まれた。日本代表(侍ジャパン)のエースとも言うべき菅野智之(巨人)は最多勝(17勝)、最優秀防御率(1.59)の2冠に輝き沢村賞も受賞。田中広輔(広島)は、最高出塁率(.398)と最多盗塁(35)を獲得した。荒波翔(DeNA)、藤井亮太(ヤクルト)、伊志嶺翔大(ロッテ)らは、いぶし銀の活躍をみせている。

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