井上円了が研究用に収集していた幽霊画も見ることができますが、実は展示されたのは今年になってから。

「うちは妖怪博物館ではなく井上円了記念博物館なのですが、来館者のアンケートで妖怪や幽霊の資料を見たいという意見が非常に多かったのです(笑)。幽霊画が井上円了という人物に興味を持つきっかけになればと思い、常設展示に追加しました」

 この幽霊画は「円了が非常にユーモアに飛んだ人物だった」ため、“ユーモアあるやり方”で展示されています。実際に博物館に行って確かめてみてください!

【情報】「東洋大学 井上円了記念博物館」東京都文京区白山5-28-20東洋大学白山キャンパス5号館1階/開館時間:月曜日~金曜日 9:30~16:45、土曜日 9:30~12:45/入館無料 ※休館日など詳細は公式HPでご確認ください

■ギロチン台から消えた商品まで <明治大学>

 東京・神田にある明治大学博物館は展示分野が「商品」「考古」「刑事」に分かれている。「なぜこの3つ?」と疑問を感じる人もいるのでは? その理由は、3つの独立した博物館を2004年に統合したから。中でも「刑事部門」は江戸時代を中心に62点の捕者具や拷問・刑罰具、刑事関連の文献などが展示されています。

明治大学博物館は黒壁で別世界の雰囲気が。やはり一番目をひくのは拷問具や死刑具のコレクション(同大学提供)
明治大学博物館は黒壁で別世界の雰囲気が。やはり一番目をひくのは拷問具や死刑具のコレクション(同大学提供)

 打ち首にされた罪人の頭部を見物人たちに見せるために乗せるさらし首台は、首が落ちないように釘が上に向かって刺さっているのがリアル……。拷問具の展示も充実していて、「え?拷問ってこんなに種類があったの!?」と驚かされます。例えば、石抱きはギザギザの台の上に正座させられ、石盤を両膝に積み重ねていくというものですが、マネキンで再現されていて膝のあたりがとっても痛そうです。他にも海老責や釣責、締め台など初めて聞く物ばかり。

 一方でギロチンやアイアンメイデンなど聞いたことのある物も。実際に使われた物ではないですがどことなく威圧感を感じます。なんとこの2つを展示しているのは日本で唯一ここだけ。

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