(イラスト/majocco)
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 こうしてなごやかにインタビューを終えて、おじさんが暮らしているという公園でさらなるホームレス取材を継続することとなった。

 はからずも最初に思い描いた、ハワイのホームレスは自給自足でよろしくやっているイメージを一部ではあるが、裏付ける結果となった。しかし、その後の取材で、このおじさんはかなりのレアケースで、ほとんどのホームレスはもっと切実な問題に直面していることがわかっていく(もちろん、おじさんも私に話さなかっただけで、深刻なトラブルを抱えていたかもしれないのだが……)。それほど、アメリカのホームレス問題は、大きく根が深いものなのである。

(文/ジャーナリスト・丸山ゴンザレス、イラスト/majocco)

ハワイのチャイナタウンで出会ったホームレスの男性。公園に住み、釣ったナマズを食べて暮らしているという(撮影/丸山ゴンザレス)
ハワイのチャイナタウンで出会ったホームレスの男性。公園に住み、釣ったナマズを食べて暮らしているという(撮影/丸山ゴンザレス)
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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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