深刻化するハワイの貧困　魚釣りで“自給自足”ホームレスを直撃

　取材を開始するとすぐに違和感があった。ワイキキビーチやアラモアナショッピングセンターなどを歩いて回るとホームレスも目につくことはつくのだが、想像していたほどでもない。もしかしたら、どこか別の場所にホームレスが溜まっているのではないだろうか。そう思ったので、道行く人に聞いてみることにした。

「Where is homeless people?（ホームレスはどこにいるか教えてくれませんか）」

「Chinatown.（チャイナタウンじゃないか）」

　チャイナタウンは、もちろん観光地ではあるのだが、ガイドブックなどでは犯罪被害の報告もあるので、注意するようにとされているエリア。一応、警戒をしながら先ほどの通行人が教えてくれた場所に向かう。その途中で目に入ったのは橋の上にいる上半身裸の男性だった。そんな人は、ハワイでは珍しくもないのだが、気になったので声を掛けてみることにした。

「What are you doing?（何しているんですか？）」

「Fishing.（釣り）」

「Please show me.（見せてください）」

「……」

　差し出されたバケツの中には魚が入っていた。