所得番付全国1位まで上りつめた大衆キャバレー「銀座ハリウッド」の立役者の“商才”
週刊朝日社会風俗・民俗、放浪芸に造詣が深い、朝日新聞編集委員の小泉信一氏が、正統な歴史書に出てこない昭和史を大衆の視点からひもとく。今回は「キャバレー」の立役者、キャバレー太郎さんのお話。* * * 昭和39(1964)年というのは、東海道新幹線が開業し、東京五輪が開催された年だ。まさに日本が高度経済...
社会風俗・民俗、放浪芸に造詣が深い、朝日新聞編集委員の小泉信一氏が、正統な歴史書に出てこない昭和史を大衆の視点からひもとく。今回は「キャバレー」の立役者、キャバレー太郎さんのお話。* * * 昭和39(1964)年というのは、東海道新幹線が開業し、東京五輪が開催された年だ。まさに日本が高度経済...
贈り物として、自分自身を“大人”として演出するものとして、知っておきたい“粋”な一品。今回は、「Laco・パイロットウォッチアーヘン」を紹介する。* * * 第2次世界大戦中、ドイツ空軍が採用した腕時計が、ラコ社のパイロットウォッチ。その特徴は、視認性、動作性を極めたデザインだ。 見やすさを意...
今年一気に「バズワード」と化した人工知能(AI)。AIは、もはや研究室に留まってはいない。私たちのすぐそばで、暮らしや職場を「最適化」し始めている。人間の趣味、嗜好や心の機微まで理解する新しい知能。私たちはAIと、どう付き合っていけばいいのか。 週末のショッピングモール。天井の小さなカメラが、ふら...
漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、「侠飯~おとこめし~」(テレビ東京系 金曜24:12~)について、テレビ東京でヒットを飛ばすグルメドラマの法則を見つけたという。* * * ある日突然、ヤクザの組長(生瀬勝久)と若頭(三浦誠己)を、自宅アパートにかくまうはめになった大学生(柄本時...
ザバッ。劇場に、勢いよく水が飛び散る音が響いた。昨年、蜷川幸雄さん演出の「ハムレット」で、ハムレットの叔父・クローディアスを演じる平幹二朗さんが、井戸の水を頭からかぶるシーンがあった。聞けば、平さん自ら祈りのシーンで水をかぶるというアイデアを出したのだという。「『ハムレット』で主役を演じていた頃は...
「脱ゆとり」が加速する学校で、教師たちが追い詰められている。苦情対応、プリント、集金、書類作成……。多すぎる校務が「本業」を圧迫しているのだ。教師339人の本音と解決策を探った。 夕方5時半過ぎ、首都圏の公立小学校の電話が鳴った。「公園に鳩が死んでます」 職員室にいた40代の女性教師Aさんは、「鳩が...
世界一忙しい日本の教師を応援したい──。大学や専門の垣根を越え、研究者らが昨年9月に設立した一般社団法人ティーチャーズ・イニシアティブ。会長を務める一橋大学イノベーション研究センターの米倉誠一郎教授は言う。「(知識伝達型の今の教育のままでは)これからのグローバル社会で、日本人は永久に『部下』にしか...
ジャーナリストの田原総一朗氏が、陛下の「生前退位」の意向について解説する。* * * 8月8日、午後3時から約10分、天皇がテレビで「お気持ち」を表明された。 私は1945年8月15日、昭和天皇の「玉音放送」を聴いた。国民学校の5年生だったが、「敵は残虐なる爆弾を使用し」や、「堪え難きを堪え、...
『御所の花』や『皇后美智子さまのうた』など皇室ゆかりの著書もある画家の安野光雅さん(90)が、天皇にとっての象徴と自由の意味を語る。 西に地震があれば出かけ、東に津波が襲うとすぐその慰問に出かけられた。天皇の訪問を受けて、被災した人たちが涙を流す場面にもらい泣きをした。家を建てる大工として行くのでな...
幅広い年代に広がりを見せるSNS。だがここで、中高年が“招かざる客”として疎まれている現実があるのをご存じだろうか。「来ないで」「迷惑」。自覚なきおじさん、おばさんの暴走に若者の悲鳴が上がっている。SNSにおける中高年の実態を追った。「楽しかったのに、あの人とつながったら面倒なことが増えてしまって...
若者のみならず中高年にも広がりを見せているSNS。実は中高年ほど、SNSにのめり込みやすい傾向があるという。 埼玉県在住の吉田幸子さん(64)。SNSに真面目に取り組みすぎてがんじがらめになり、「自滅しました」。 3年前にFBに登録し、友人らとの交流を楽しんでいたが、やり取りに神経を使うあまり、次...
「直前になっても腰痛がひどいと聞き、正直、今回はダメだろうな、と思ってました。それが、ああいう結果で……良かったね、と思っている記者が多いと思います。あの親子には、辛口の報道陣にもそう思わせる人徳があるんですよ」 スポーツ紙デスクがこう語るのは7日に行われた重量挙げ女子48キロ級で見事に銅メダルを獲...
開幕前から治安の悪さやインフラ整備の遅れ、ジカ熱など不安が尽きなかったリオ五輪だが、開幕後も問題は広がりつつある。 度肝を抜かれたのは、競技会場周辺を走行中の観光客を乗せたバスが乗っ取られ、アハスタオン(「地引き網」の意)と呼ばれる集団強盗事件が発生したことだ。9日には報道陣が利用するメディアバス...
さまざまな思いを抱く人々が行き交う空港や駅。バックパッカーの神様とも呼ばれる、旅行作家・下川裕治氏が、世界の空港や駅を通して見た国と人と時代。下川版、「世界の空港・駅から」。第9回はロシアのムルマンスク駅から。* * *世界最北端の鉄道駅である。ロシアのムルマンスク駅。北緯68度58分。今年(...
ロンドンで屈辱の男子「金0」に沈んだ日本の柔道が、復活の狼煙(のろし)を上げた。 8月10日までに、男子73キロ級の大野将平、男子90キロ級のベイカー茉秋(ましゅう)、そして女子70キロ級の田知本遥の3人が金メダルを獲得。 復活の立役者は、ロンドン五輪後の2012年11月に就任した井上康生代表監督...
世界の5大陸と3大洋をめぐるアースフォトグラファー・高砂淳二氏が触れた地球の生きた鼓動――。アイスランドの“神の滝”や氷の洞窟、世界一のエンジェル滝にかかる夜の虹、直径30メートルの夢のような珊瑚島、“天空の鏡”ウユニ塩湖など、世界中で撮影された絶景・美景が収められた写真集『Dear Earth』...
体力の続く限り授業をし続けたい。教師としてのキャリアのゴールを尋ねると、そんな声をよく聞く。管理職のなり手が少なく、「一生ヒラ」「一生非正規」も多い学校現場は、このままでいいのか。 個人面談で保護者に質問された瞬間、当時31歳だった女性教員(38)はヒヤッとした。「先生、5月まで何されてたんですか...
日本のラガーメンが世界を驚かせた。リオ五輪で初採用されたラグビー7人制の男子が、1次リーグでニュージーランドに歴史的勝利。続く、決勝トーナメントの初戦でも強豪フランスに逆転勝ちし、ベスト4進出を決めた。 しかし、サクラセブンズこと女子は、金メダルを目標にこの5年間で約1100日を合宿にあてるなど強...
天皇陛下のお気持ち表明を受けて、緊急対談が実現した。政権中枢で皇室典範の改正論議にかかわった園部逸夫氏と、皇室取材を長年続ける岩井克己氏。二人が天皇陛下のメッセージから現代に即した天皇のあるべき姿を語る。岩井:高齢化社会のなかで、ご高齢の課題が出てきた。陛下の場合、象徴天皇のありようを模索しつつ、...
8日、天皇陛下がお気持ちを表明し、「生前退位」を強く示唆された。これを受け、政権中枢で皇室典範の改正論議にかかわった園部逸夫氏と、皇室取材を長年続ける岩井克己氏が、天皇陛下の生前退位を実現する方策、退位後の課題を語る。園部:陛下のお気持ちに応えるために、退位の道を開くのか。たとえば80歳になられた...
沖縄・東村高江の米軍ヘリパッド反対運動の現場を訪問した翌日、安倍晋三首相の妻・昭恵さん(54)は自身のフェイスブック(FB)にこう書き込んだ。<批判は覚悟の上。対立、分離した世の中を愛と調和の世界にしていくための私なりの第一歩…> 8月6日午後7時ごろ、昭恵さんは反対派の人々がゲート前に設置したテ...
競泳陣の快挙に日本中が沸いた。男子400メートル個人メドレーで萩野公介(22)が金、瀬戸大也(22)が銅メダルを獲得し、競泳の日本勢としては1956年メルボルン大会以来60年ぶりというダブル表彰台を達成。さらに10日には男子800メートルリレーで萩野が第一泳者を務めた日本チームが52年ぶりの表彰台...
映画「男はつらいよ」で寅さんを演じた渥美清さんが亡くなって今年で20年。渥美清の足跡を数々の秘蔵写真とエピソードで辿った「渥美清没後20年 寅さんの向こうに(週刊朝日MOOK)」も好評で今なお、その人気は衰えないが、命日の8月4日、東京・築地の劇場「東劇」で、シリーズ1作目の記念上映会が開かれた。...
3大会ぶりに五輪の団体金メダルを勝ち取った男子体操日本代表。絶対王者頼みのチームから、ニューヒーローが誕生し、美しさと強さがさらに増した。 8月8日の体操男子団体決勝の第3種目め、跳馬。白井健三(19)が3回ひねりを成功させ、地面に突き刺さるような完璧な着地を決めた瞬間、試合の流れがガラッと変わっ...
ふだんから塾に習い事にと、何かと忙しい今どきの小学生。授業がない夏休みも、水泳にサマーキャンプや塾の夏期講習などが加わり、休むヒマがない。 食べかけのポテトを残して、親子でファストフード店を飛び出した。息子と慌ててタクシーに乗り込んだAさん(40)は、都内在住の専業主婦。夏休み工作教室の開始時刻を...
体操男子個人総合で8月11日(日本時間、以下同)、内村航平が金メダルを獲得。日本人では44年ぶりとなる五輪連覇を成し遂げた。 最終盤までウクライナのベルニャエフにリードを許す苦しい展開。だが、最終種目の鉄棒で着地までほぼ完璧に技を決め、約0.9ポイント差を覆して逆転勝利を収めた。「もう何も出ないと...
11月で28歳になる卓球女子の福原愛にとって今回のリオ五輪は、最後の大舞台とされていた。が、現地入りした福原は絶好調だった。 シングルスでは、ロンドン五輪金の李暁霞(中国)に準決勝で0−4で敗れたものの、初のベスト4に進出した。 その飛躍の立役者とされるのは、4月に自身のブログで「良いお付き合いを...
8月8日午後3時。この時間、いったいどのくらいの日本人がテレビに向かい、天皇陛下のメッセージを聴いたのだろう。「平成の玉音放送」と受けとった人も、「天皇陛下の終活」と受けとった人もいただろう。このお言葉はなぜ出て、どう受けとめられているのか。「私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思...
東京都知事選に圧勝した小池百合子氏だが、国政からもラブコールが飛び交い、その動向に注目が集まっている。「一緒にやれたらいいのだぎゃあ」 と話すのは、河村たかし名古屋市長だ。都知事選終盤、自民都連への推薦依頼を取り下げ、応援弁士が限られていた小池氏の陣営に飛び込んだのが河村氏。小池氏とは日本新党時代...
8日公表された天皇の言葉には、「生前退位」の意向が強くにじんでいた。昭和天皇が終戦に際して行った「玉音放送」にもなぞらえられる今回の意向表明。本当に実現するのだろうか。 秋篠宮さまはかつて、「天皇には公務定年制が必要だ」という趣旨の発言をしたことがある。2011年11月22日、46歳の誕生日を前に...