送検される宮本一希容疑者=2023年5月26日
送検される宮本一希容疑者=2023年5月26日

 女子大生に毒性の強いタリウムを摂取させて殺害したとして、今年3月に殺人容疑で逮捕、同罪で起訴された京都市左京区の宮本一希被告(37)。大阪府警は5月24日、叔母への殺人未遂容疑で再逮捕した。女子大生の事件をめぐる捜査のなかで、入院中の叔母の血液からタリウムが検出された。叔母の会社と宮本容疑者をめぐり、大きな金銭の動きがあることもわかった。

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 叔母は意識不明の状態が続いており、宮本容疑者は黙秘しているという。

 京都市左京区の閑静な住宅街の一角に、ひときわ目立つ豪邸がある。700平方メートルを超す敷地に、和風の塀や邸宅、手入れが届いた庭木……。ここが宮本被告の自宅だ。

宮本一希容疑者の自宅
宮本一希容疑者の自宅

 宮本被告の祖父が、バブル期あたりから不動産事業に乗り出し、大きな資産を築いたという。宮本容疑者は、京都市内の大学を卒業後、大手企業に就職し、情報誌の立ち上げなどにかかわったそうで、友人がこう話す。

結婚して子どももいました。10年くらい前に大手企業を辞めて東京から京都に戻り、家業の不動産事業を手伝うようになったんです」

 祖父が亡くなった後、不動産事業を切り盛りしていたのが被害者の叔母だ。

 宮本容疑者は、叔母のアドバイスを受けて会社を設立し、舞妓さんと一緒に懐石料理が楽しめる店を開いた。宮本容疑者が紹介されているYouTubeの動画「Willy Japan」では、

「誰かの紹介がないと(料亭やレストランなどに)入れないルールを、(京都では)一見(いちげん)さんお断りと呼んでいる。舞妓さんや芸子さんの出てくるお茶屋さんでは一般的なしきたり。お金持ちしか入れない、ベールに包まれた謎というイメージ。訪日外国人も増えてきて、舞妓さんに会えなかったというのはすごくもったいない。どこに予約していくら払えばいいのかもわからない。それを解消しようとはじめた」

 などと新しいビジネスに至った説明をしている。

 コロナ禍前に始めた店は大繁盛となった。宮本容疑者の親族がこう話す。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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車は高級外車になって毎晩のように京都の店を飲み歩く