ヤクルト・村上宗隆
ヤクルト・村上宗隆

 ヤクルト村上宗隆のパフォーマンスが一進一退を続けている。「村上様」と呼ばれた昨年のような勢いが感じられない中、「初心に戻り、ハングリー精神を思い出せ」という声が各方面から聞こえてくる。

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 シーズン初戦のアーチは昨年の活躍を再び予感させた。3月31日、広島との開幕戦(神宮)では第1打席でいきなりの本塁打。その後もスタートダッシュに成功したチームの中で見事な打棒を見せてくれるはずだったが……。

「昨年終盤からの不振がWBC本戦中も続き苦しんだ。オープン戦への出場がなく、ぶっつけ本番の開幕に不安要素がないわけではなかった。それでも開幕から結果を残したことで格の違いを感じさせていたが、その後は調子を一気に落としてしまった。現実は甘くなかったようだ」(ヤクルトOB)

 4月11日のDeNA戦(神宮)での本塁打を最後にバットから快音が消えた。4月終了時点で打率は1割台と低迷し、本塁打は2本と昨シーズン最年少で三冠王となった打撃が鳴りを潜めた。

「昨年の夏頃から打撃フォームを崩した感じで、1打席、時には1球ごとに構え方を微調整していた。グリップの位置を高くしたり前に出したりする。タイミングの取り方も同様で、常に試行錯誤。スイング軌道がハマった時だけ本塁打になる感じが続いている」(在京球団スコアラー)

「打撃フォームが固定できないからタイミングの取り方も流動的になる。打席ごとに足の上げ方が変わってしまい、時にはすり足に近い時もある。頭の中が混乱しているように見える。打席に入る際のルーティーンすら変わる時もあるほど」(ヤクルト関係者)

 昨シーズンの終盤から調子を崩しているようだった。CS、日本シリーズ、そして今季開幕前のWBCでもここぞの打撃は見せたものの、安定感のあるパフォーマンスを見せることはできなかった。

「他球団が徹底研究しているのが不振の原因の1つ。年に何十回と対戦するプロ野球では膨大な量のデータが蓄積するため、どんな強打者でも弱点は見つかる。同じ打者に何度もやられるのは恥ずかしいことなので、相手も必死なのは当然。短期決戦で結果が出なかったのも同様の理由だと考えられる。」(ヤクルト関係者)

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