女性のソロキャンパーへの迷惑行為は後を絶たない。写真はイメージ(PIXTA)
女性のソロキャンパーへの迷惑行為は後を絶たない。写真はイメージ(PIXTA)

 都会の喧騒を離れ、一人静かに自由な時間を過ごすことができるソロキャンプ。そんな魅力を求める女性のソロキャンパーが増えている一方で、「勝手にテントに入られた」などと女性ソロキャンパーへの信じがたい迷惑行為の話も聞こえてくるようになった。女性が身の安全を確保するために注意すべき点は何か。「ソロキャンプの健全な普及」を掲げ活動する日本単独野営協会の小山仁代表理事に話を聞いた。

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 ソロキャンプ歴34年の小山さん。2018年に日本単独野営協会を設立し、ソロキャンプについての情報発信や、野営地の清掃活動に取り組んでいる。

 そんな小山さんは、女性ソロキャンパーへの迷惑行為も多く見聞きしてきた。たとえば、以下のようなケースがあったという。

▽男性が勝手にテントのファスナーを開けて「寒くないですか」「大丈夫ですか」などと中に入ってきたケース。一軒家やマンションなどでやったら犯罪では?

▽「教え魔」とも呼ばれるが、1人で過ごしている女性に「怖くない?」などと話しかけてきて、聞いてもいないのにあれこれとアドバイスするケース。親切心だったとしても、結果的にはソロキャンプの邪魔をしています。

▽たき火中に「教え魔」と思われる男性が近づいてきて延々としゃべり続け、揚げ句の果てにソロキャンプ歴自慢を始めるケース。ここは女性が接客するお店ではありません。

 小山さんによると、女性のテント内に勝手に入ってきて5時間も居座り続けた男性もいたそうで、女性の心中や察するに余りある。

 こうした行為を控えるように、小山さんはSNSなどで情報を発信し続けてきた。だが、「教え魔はやめましょう」という趣旨の投稿をすると、

「教えてあげているのに何様だ!」

「女のほうが怖いんだよ!」

 といった“反論”や、

「女性が大ケガしていてもお前は何もしないのか」

 などと本筋から大きく脱線した反応が返ってくることがあるという。

 相手が「良かれと思ってやってあげているのに」と一方的に親切心をふりかざしてくることもあり、対応を誤るとやっかいなことになりかねない。

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國府田英之

國府田英之

1976年生まれ。全国紙の記者を経て2010年からフリーランスに。週刊誌記者やポータルサイトのニュースデスクなどを転々とする。家族の介護で離職し、しばらく無職で過ごしたのち20年秋からAERAdot.記者に。テーマは「社会」。どんなできごとも社会です。

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