今季から阪神に加入したノイジー(写真提供・阪神タイガース)
今季から阪神に加入したノイジー(写真提供・阪神タイガース)

 プロ野球で最も即効性の高い補強と言えばフリーエージェント(FA)と並んで新外国人選手が挙げられるだろう。昨年は投手ではエンス(西武)、オスナ(ロッテ・※今季からソフトバンク)、ワゲスパック(オリックス)、野手ではウォーカー(巨人)、マクブルーム(広島)などがチームに欠かせない戦力となり、今年も日本でプレーしている。シーズンはまだ始まったばかりだが、ここまで順調な新外国人選手はどの程度いるのだろうか。

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 投手ではセ・リーグで戦力になっている選手が多い印象を受けるが、先発でまず名前が挙がるのがグリフィン(巨人)だ。来日初登板となった4月1日の中日戦で7回無失点の好投で初勝利をマークすると、続く8日の広島戦は負け投手となったものの、15日の中日戦では高橋宏斗に投げ勝って既に2勝を挙げている。ストレートは140キロ台後半と外国人投手にしては特別スピードがあるわけではないが、サウスポーらしいボールの角度があり、140キロ台中盤で鋭く変化するカットボールも大きな武器になっている。ここまで16回2/3を投げて20奪三振をマークしているのも見事だ。メジャーでの実績はないものの、今年で28歳とまだまだ若いだけに日本で大きく化ける可能性もありそうだ。

 同じ先発左腕で順調なスタートを切ったのがピーターズ(ヤクルト)だ。開幕2戦目となる4月1日の広島戦で先発すると、6回をわずか被安打2、無失点の快投で来日初勝利をマーク。ストレートはコンスタントに150キロ前後のスピードがあり、グリフィンと比べても力強さは上回っているように見える。スライダー、チェンジアップの対になる変化球も上手く操り、制球力の高さも持ち味だ。広島戦の登板後に腰を痛めて登録抹消となったのは誤算だが、しっかり状態を整えれば先発の一角として期待できるだろう。他にもビーズリー(阪神)、ウェンデルケン(DeNA)がリリーフとしてここまで安定した投球を続けており、ブルペン陣を支える存在となっている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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野手で“好スタート”切ったのは?