学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)
学校や仕事、生活での悩みや疑問。廣津留さんならどう考える?(撮影/吉松伸太郎)

小中高と大分の公立校で学び、米・ハーバード大学、ジュリアード音楽院を卒業・修了したバイオリニストの廣津留すみれさん(29)。その活動は音楽だけにとどまらず、大学の教壇に立ったり、情報番組のコメンテーターを務めたりと、幅広い。「才女」のひと言では片付けられない廣津留さんに、人間関係から教育やキャリアのことまで、さまざまな悩みや疑問を投げかけていくAERA dot.連載。今回は、子どものインターナショナルスクールへの入学を検討している親御さんからの相談。英語力だけでなく日本語力も養うためにはどうしたらいいのか。廣津留さん自身の経験を教えてくれた。

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Q. 子どもをインターナショナルスクールに入れようと考えています。英語力とあわせて日本語力も培っていきたいのですが、廣津留さんは国語をどのように勉強していましたか?

A. 国語といえば、小学生の頃は読解問題のドリルを解くのが大好きでした。勉強とは思っていなくて、遊びの延長のような感じでしたね。新しい物語を読むことができるし、ストーリーを理解すれば小学生でも高校生向けの問題を解けることが嬉しくて楽しかったんです。あとは、小さい頃から英検の勉強をしていたのも、役に立っていたかも。英検には長文読解があるので、問題集を解くことで日本語の文章読解力も身についたような気がします。

 漢字も好きでしたね。自分で「漢字採集ノート」なるものを作って、本などで初めて見る漢字が出てくるたびに書き写しては趣味的に「採集」していました。漢検合格を目指していたわけではなくて、これもゲーム感覚というか……。「新しいポケモンをゲットだぜ!」みたいな感じで(笑)。ノートいっぱいに漢字を集めるのがすごく楽しかったですね。そうそう、あとは母が、私が読む絵本に仕掛けをしていました。ひらがなだけの文章を漢字にできるところはワープロで打って絵本に貼っていて、めくると漢字の読み方がわかるようになっていたんです。そうやって勉強と思わず、自然に学ぶことも多かった気がします。文章読解にしろ、漢字にしろ、新しい情報や知識を手に入れることがとにかく好きでした。

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廣津留すみれ

廣津留すみれ

ひろつる・すみれ/バイオリニスト、成蹊大学客員講師・国際教養大学特任准教授。1993年、大分市生まれ。2016年にハーバード大学(学士課程)、2018年にジュリアード音楽院(修士課程)を卒業。世界的チェリスト、ヨーヨー・マとの共演のほか、ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズの演奏・録音などを担当。情報番組にコメンテーターとして出演も。著書に『ハーバード・ジュリアードを首席卒業した私の「超・独学術」』(KADOKAWA)など。2022年にファーストCD「メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲+シャコンヌ」をリリース。ジュリアード音楽院の教授ジョセフ・リン氏の代演を務めたコンサートのライブ音源を収録している。

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