今季は育成契約からのスタートとなった柿木蓮(写真提供・北海道日本ハムファイターズ)
今季は育成契約からのスタートとなった柿木蓮(写真提供・北海道日本ハムファイターズ)

 根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)、柿木蓮(日本ハム)、横川凱(巨人)。

【写真】「やっぱり“侍ジャパン”に選んでほしかった投手」がこちら

 大阪桐蔭の“最強世代”と呼ばれ、甲子園では春夏連覇の原動力となった4人だが、プロ入り後は苦戦が続いている。すでにドラフトで指名を受けてから今年で5年目と結果を残さなければいけない段階に差し掛かっている。(文中の成績は全て4月13日終了時点)

 そんな中、今シーズン順調なスタートを切ったのが藤原だ。3月31日のソフトバンクとの開幕戦(PayPayドーム)からスタメンの座を掴み、これまで全11試合に先発出場。打率.359(39打数14安打)、1本塁打、5打点、1盗塁と覚醒の予感を漂わせている。

「守備と脚力は素晴らしいので課題は打撃。本人も自覚しており必死に練習に打ち込んでいる。バットを振り続け、並行してウエイトトレーニングにも励み体も大きくなっている。素晴らしい素材なので、結果を残して自信がつけばさらに飛躍するはず」(ロッテ関係者)

 藤原は中学時代(ボーイズリーグ)にも全国制覇を経験するなど、エリート街道を歩んできた。甲子園連覇を果たした高校3年時にはチームの4番を任されるなど、走攻守の3拍子揃った選手として活躍。プロ入り後も1年目に開幕スタメンで起用されるなど早期の活躍が期待されたが、その後は伸び悩んでいる印象だった。だが、今季は「これまでと違う」というパフォーマンスを見せている。

「打席での動きが少なくなり、投球を確実に捉えられるようになった。端正なルックスで露出が多く、実力が追いついていないと言われて本人も気にしていたようだった。素晴らしい能力があるので、結果を出し続けて球界を代表する真のスター選手に育って欲しい」(ロッテOB)

 投手では横川も開幕からチャンスを掴みかけようとしている。開幕2カード目に当たる4月6日のDeNA戦(横浜)で今季先発。プロ初勝利こそならなかったが6回を5安打1失点の好投を見せた。続く2試合目の登板(阪神戦)では5回4失点で負け投手となったが、ブレイクの兆しも見えている。

「長身を生かした独特の投球フォームが話題となったが、プロ入り時には荒削りな部分が目立った。長期的な育成プランを立てて、じっくり育てる方針だったが思ったよりも早く成長してきた。投手は何人いても構わないので、このままローテーションに定着して欲しい」(巨人関係者)

次のページ
当時のエースは現状“戦力”ではない?