“黄金世代”の渋野日向子
“黄金世代”の渋野日向子

「あ、また勝った」

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 これは先日、女子ゴルフの国内ツアーを見ていた時に頭に浮かんだ言葉だ。

 本原稿のテーマは“黄金世代の現在地”。ここ数年、国内女子ツアーは20代前半の若手が席巻しているが、その筆頭といえる“黄金世代”の面々が、どのような現状にあるのかをまとめようというものだ。

 で、冒頭の言葉。ここまで言えば、ゴルフファンならこれが誰のことを指しているか想像がつくだろう。

 12日まで高知県の土佐カントリークラブで開催されていた国内女子ツアー第2戦の明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメントを制したのは、“黄金世代”の一人、吉本ひかるだった。

 吉本は、2打差単独トップで最終日をスタートすると前半で1つスコアを落とし、ささきしょうこに逆転を許す場面もあった。しかし、後半に4つのバーディを奪い通算19アンダーでプレーオフに突入。ささきとのプレーオフでは2ホール目にバーディを奪ってツアー初優勝を飾った。

 2019年のフジサンケイレディスでも今回と同じく最終日を2打差の首位で出たが、この時は申ジエ(韓)に逆転されて涙を流した。今回は、プレーオフにもつれ込む接戦となったが、最後は4年前の悔し涙を嬉し涙に変えた。

 では、ツアーを席巻する“黄金世代”はどのような活躍をしているのか? 個々に見ていきたいと思う。いわゆる“黄金世代”は、一般的に1998年4月から1999年3月までに生まれた女子プロゴルファーを指す。吉本のツアー制覇で、“黄金世代”のツアー覇者は12人目となったが、今回は吉本のように優勝歴のある12名についてチェックしていきたい。

“黄金世代”の中で最も早くツアー優勝を果たしたのは、勝みなみだった。勝が優勝したのは2014年のKKT杯バンテリンレディスで当時の勝は高校一年生。15歳293日でのツアー勝利は、ツアー史上最年少優勝記録という偉業だった。

 2017年のプロテストに合格した勝は、2018年の大王製紙エリエールレディスオープンでプロとして初勝利すると2020年以外は毎年2勝しており、ここまでメジャーの日本女子オープン2勝を含むツアー通算8勝を記録。今季からは米女子ツアーに本格参戦し、海外メジャーVを目指している。

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優勝回数が一番多いのは米ツアーで活躍する…