イタリア戦に先発予定の大谷翔平(写真:AP/アフロ)
イタリア戦に先発予定の大谷翔平(写真:AP/アフロ)

 WBC1次ラウンドは、日本がプールBで4連勝と圧倒的な強さをみせたが、プールAは大混戦に。台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマと出場5カ国すべてが2勝2敗で並び、失点率により1位・キューバ、2位・イタリアが1次ラウンド突破を決めた。

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 プールAは、2013年、17年のWBCで2大会連続ベスト4入りしたオランダが本命視されていた。3戦目終了時点で首位だったが、4戦目のイタリア戦で1-7と敗れたことで3位に転落。1次ラウンドで姿を消した。混戦のグループで2位に入ったイタリアはどんなチームだろうか。WBCを取材するスポーツ紙記者は、こう分析する。

「マイク・ピアザ監督は現役時代にドジャースで野茂英雄とバッテリーを組んでいたので、名前を知っている野球ファンは多いでしょう。選手は米国のメジャーとマイナーリーグでプレーしている選手が大半で、緻密な野球が特徴です。相手を徹底的に研究し、極端な守備シフトを敷いてくる。打撃は1次ラウンド4試合で本塁打ゼロですが、コンパクトなスイングを心がけている証です。大振りをせず、きっちりミートして安打を重ねる。1点を確実に取る野球で、セーフティースクイズを仕掛けて得点を奪うなど、小技を重視する日本の野球に近い。1次ラウンドで強豪国のキューバ、オランダを撃破していますし、決して侮れる相手ではない。熱狂的な応援の台湾とアウェーで試合をしているので、東京ドームの雰囲気にのまれることもないでしょう」

 延長10回タイブレークで激闘を制した初戦のキューバ戦が、イタリアの強さを象徴する試合だった。同点の延長10回無死二塁で、キューバのマウンドは中日で守護神を務めるライデル・マルティネス。ジョン・バレンテ(タイガース傘下)が犠打の構えでキューバのバッテリーが神経を使う中、二塁走者のサル・フレリック(ブルワーズ傘下)が三盗を決めると、バレンテが中前適時打。さらに、ドミニク・フレッチャー(ダイヤモンドバックス傘下)の適時打などで4点を勝ち越し。キューバ打線の反撃を1点で抑えて逃げ切った。

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