大阪桐蔭・前田悠伍
大阪桐蔭・前田悠伍

 3月18日に開幕するセンバツ高校野球大会。10日には組合せ抽選会が行われ、初戦の対戦カードが決まった。第95回の記念大会ということで例年よりも4校多い36校が出場するが、各ブロックを勝ち抜いて準々決勝に進出するチームはどこになるのか。秋季大会の戦いぶりなどから予想してみたいと思う。

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【第1ブロック】

大分商(大分)、作新学院(栃木)、英明(香川)、智弁和歌山(和歌山)

 伝統校が多く揃うブロックとなったが、総合力で頭一つ抜けているのは智弁和歌山だ。3番の青山達史(3年)、4番の中塚遥翔(3年)を中心とした強力打線が大きな強みで、安定感には欠けるものの力のある投手も揃う。初戦で対戦する四国チャンピオンの英明は秋に好投した技巧派右腕の下村健太郎(3年)の出来がカギとなりそうだ。作新学院もチームのタイプとしてはよく似ているだけに、この2校が3回戦で対戦することになれば打ち合いが予想されるが、総合力ではやはり智弁和歌山を推したい。

【第2ブロック】

光(山口)、彦根総合(滋賀)、氷見(富山)、東北(宮城)山梨学院(山梨)

 開幕カードで対戦する東北と山梨学院が中心となる。東北はプロ注目の大型右腕、ハッブス大起(3年)を中心とした堅実な戦い方が持ち味で接戦に強い。一方の山梨学院は強打で関東大会を制した。力の差はないと思われるが、投手の疲労がない初戦ということで東北を1番手として推したい。残りは初出場2校、21世紀枠1校ということで勝ち進むのは厳しそうだが、いずれも好投手を擁するだけに、何とかロースコアの展開に持ち込んで勝機を見出したいところだ。

【第3ブロック】

北陸(福井)、高知(高知)、履正社(大阪)、常葉大菊川(静岡)、専大松戸(千葉)

 近畿大会ベスト8ながら総合力が高く優勝候補の一角と見られる履正社が中心。投手、野手とも旧チームから経験のある選手が揃い、個々の能力の高さは今大会でも屈指である。秋は少し不安定だった投手陣の調子が上がってくれば頂点も狙えるチームである。対抗は今大会ナンバーワン右腕の呼び声が高い平野大地(3年)を擁する専大松戸だ。最速151キロのスピードが大きく報じられるが、変化球も高レベルで試合を作る能力も高い。3回戦で履正社打線と対戦になれば面白い展開となりそうだが、チーム力を考えるとやはり履正社が突破する可能性が高いだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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