カタールで行われたサッカーのW杯では解説者として話題となった本田圭佑
カタールで行われたサッカーのW杯では解説者として話題となった本田圭佑

 昨年末(11月20日~12月18日)に行われたサッカーのワールドカップでは、日本代表がグループリーグでドイツ、スペインという世界の強豪を下すなど2つのジャイアントキリングを成し遂げ、大きな盛り上がりを見せた。

【写真】かつては日本代表の10番 しかし現在くすぶっている選手といえば

 三笘薫(ブライトン)、堂安律(フライブルク)、田中碧(デュッセルドルフ)など素晴らしいプレーを披露した選手が大きな注目を浴びたが、それ以上と言っていいほどに話題となったのが、インターネットテレビ局「ABEMA」で解説を務めた元日本代表プレイヤーの本田圭佑だ。

 本田は一部の選手を「さん付け」で呼んだことをはじめ、冷静沈着で理論的な部分と、親近感がわくような感情的な部分が入り混じった従来にない解説のスタイルを確立した。サッカーのワールドカップが想像以上に盛り上がったことに一役買ったのは間違いないだろう。

 そして、今月8日から始まった野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも大谷翔平(エンゼルス)、日系人として初めて侍ジャパンに招集されたラーズ・ヌートバー(カージナルス)ら大会前から注目の選手が大活躍。日本中がワールドカップと同様に興奮の渦に巻き込まれているが、解説者として“評価”を上げている人物はいるのだろうか……。

 今大会ではワールドカップと同じくテレビやインターネットで試合が中継されているが、その中でも評判が良いのは「Amazonプライム」に出演している前西武監督の辻発彦氏だ。(※「Amazonプライム」では解説ではなくスタジオコメンテーターとして出演)

「西武の黄金時代を支えた野球頭脳の高さは、野村克也氏に匹敵するとも言われている。実際にヤクルト時代には野村ID野球を体験しているのだから当然でもありますね。昨年まで現場で監督だったこともあり、近年の野球を熟知している。『我々の時代は……』という、前時代の武勇伝を語るようなことがないのも好感が持てる理由。また人当たりの良さには定評がありますね。解説者としての好感度がどんどん上がるはずです」(大手広告代理店関係者)

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野球界で“本田的”な解説は難しい?