東京では、特に目立ったのが日本学園(世田谷区)。明治大学の系列校になることが好感を呼んだ。前年、人気を回復した女子の伝統校も引き続き増加。法政大学との提携を拡充した三輪田学園(千代田区)が大幅に増加した。

 今年は開成(荒川区)、桜蔭(文京区)など別学の最難関校も増加した。また隔年現象が顕著に表れ、昨年増加した麻布(港区)、武蔵(練馬区)、女子学院(千代田区)、フェリス女学院(横浜市)などの難関校は減少。さらに昨年大幅に受験者数を伸ばした実践女子学園、品川翔英(品川区)、広尾学園小石川(文京区)、神奈川大学付属(横浜市)、関東学院(横浜市)も減少した。

■神奈川・千葉・埼玉も増加の傾向

 神奈川でも栄光学園(鎌倉市)や聖光学院(横浜市)などの難関校が増加。湘南白百合学園(藤沢市)、また工藤勇一校長が赴任して注目を浴びた横浜創英(横浜市)が大幅に増加した。

千葉は新設の流通経済大学付属柏(柏市)が受験者を集めた。昭和学院(市川市)も増加。

埼玉では栄東(さいたま市)の志願者が、今年で10年連続して1万人を超えた。

 24年は首都圏で6年生の数が6000人以上減少する。来年の入試について、北さんは次のように分析している。

「来年の予想は、受験者数の増加と減少に見解が分かれていますが、私自身は減少するのではないかと思っています。人口減と、過去の例を見ても10年連続して増加したことがなかった。来年から右肩下がりになるのではないかと踏んでいます」

 アフターコロナの状況も影響しそうだ。景気が悪化すれば、受験生が減少する可能性は大きい。どちらにしても、情報はしっかり集めて早めに対策をしておこう。

 高橋さんは今年の受験生に、こうエールをおくる。

「今年受験した子どもたちは、新4年からコロナ禍で勉強をしてきた世代です。不安な状況の中で、よく3年間がんばってきたと思います。受験生とその親御さんに敬意を表したい。進学した中学校で、充実した生活をおくれるように願っています」

(柿崎明子)

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ライター 柿崎明子

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