写真はイメージです(Getty Images)
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 親類や知人の危篤、または臨終の知らせを家族から受けるということは、本人が連絡してほしいと思っているか、親しい間柄だからこそのこと。できるだけ早く駆けつけたい。急な事態に慌てないために、もしもの時のマナーを『【増補改訂版】きちんと知っておきたい 大人の冠婚葬祭マナー新事典』でおさらいしておく。

【図解】知っておきたい 故人との対面作法

 危篤や訃報を受けたときは、故人との関係によって対応が異なる。以下を参考に、すぐに駆けつけるのか、手伝いの準備をするのかを判断してほしい。

 遺族から直接、連絡があった場合は、遺族が故人との対面を望んでいるということだ。時間にかかわらず、なるべく早く駆けつけたい。故人が身内や近親者だという場合は、通夜や葬儀の準備を手伝うことを前提に、華美ではない控えめな服装で駆けつけよう。近所の住人など親しい間柄ならすぐに伺い、お悔やみを述べて、手伝いを申し出る。

 友人や知人の場合はまず、通夜、葬儀・告別式のどちらに参列するかを故人との関係によって判断し、必要な場合には、通夜や葬儀・告別式の情報をほかの友人、知人へ連絡する。会社関係者が故人で親しかった場合は、通夜からの参列が望ましい。香典や供物を贈るときには、会社の規則や慣例を確認するのを忘れずに。

 弔問は、連絡が来た場合にだけするものなので、訃報を知ったからといって勝手に弔問するのは控えること。弔問の際は、いくら親しい間柄でも長く話し込むことは避ける。遺族に対しては、うまく言葉をかけられなくても、目礼をきちんとすれば失礼にはあたらないが、以下のような言葉なら不快感を与えずに済むだろう。

【一般的なお悔やみの言葉】
「このたびはご愁傷さまでございます。心よりお悔やみ申し上げます。突然のお知らせを受けて、いまだに信じられない気持ちでございます」

【手伝いを申し出るなら】
「私に何かお手伝いできることがありましたら、お申し付けください」

【不慮の死だった場合】
「あまりに突然のことで、まさかという気持ちでいっぱいです。心中、お察し申し上げます」
「突然のことで、何と申し上げてよいか言葉もありません。心からお悔やみ申し上げます」

【長患いだった場合】
「ご病気とはうかがっておりましたが、心残りでなりません」
「きっと快復なさるものと思っておりましたのに、残念でなりません」

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故人との対面はすすめられた場合のみ