巨人・原辰徳監督
巨人・原辰徳監督

 巨人は常勝でなければいけないのか……。昨年は5年ぶりとなるBクラスの4位に低迷し、オフには大型補強も噂されたが実際に大物を獲得することなくストーブリーグを終えた。

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 リーグ3連覇を目指すヤクルトがいる中で優勝候補とは言い難いが、それでも将来を嘱望されるような選手も多く楽しみも多い。当然、彼らの成長次第でリーグ制覇もあり得るが、かつてのように常に勝ち続ける戦力を維持するのは難しくなりつつある。

 巨人OBにも「(球団は)若手の育成方針を公言している。紆余曲折もあって時間もかかるかもしれないが、みんなで支えたい」という声もあり、“勝てない時期”を我慢する必要があるのではないかという主張もある。

 巨人はかつて「球界の盟主」と呼ばれ、プロ野球界で絶対的な存在であった。常に優勝争いを繰り広げ、日本一の回数(22)はNPBで断トツだ。しかし近年は各球団が努力して、チーム強化とグラウンド外の収益向上を進めている。かつてのような巨人の“一人勝ち”の状況は変わった。

「今や球界の盟主という言葉は死語ではないでしょうか。若い世代の巨人ファンはもはや、意味がわからないでしょう。特にグラウンド内の戦いは年々熾烈さを増しており、優勝争いに加わるのも難しくなってきている。短中長期スパンでの計画的なチーム作りが必要になってきた」(巨人担当記者)

 巨人は過去にV9(日本シリーズ9連覇)時代をはじめ、投打に圧倒的な戦力を誇り勝ち続けた時期もあった。また、勝てなくなれば豊富な資金力をもとに選手を補強し、戦力を充実できた頃もあった。しかし時代は流れ、従来までと同様の方法が通じなくなってきた。

 そこで重要となってくるのが若手の育成だ。もちろん、巨人もその方向に舵を切っているが、勝つまでには時間がかかることも考えられる。

「若手の育成方針を掲げ、ファーム組織改革や球団施設への積極的投資を行っている。多少の時間はかかるかもしれないが、ここから必ず盛り返すはず」(在京テレビ局スポーツ担当)

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今季からは本格的に“若手育成”か