アストロズ時代のロジャー・クレメンス(ロイター/アフロ)
アストロズ時代のロジャー・クレメンス(ロイター/アフロ)

 いよいよワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開幕(3月8日~)が迫ってきた。日本代表は鈴木誠也外野手(カブス)の故障による辞退こそあったが、大谷翔平選手(エンゼルス)やダルビッシュ有投手(パドレス)、吉田正尚外野手(レッドソックス)らメジャーリーガーたちも参戦。さらに今回は史上初めて日系メジャーリーガーのラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)を招へいするなど半端ない勝負度合いがうかがえる。

【写真】阪神が断った! 来日のプランがあった「超大物助っ人」はこちら

 一方、米国代表も保険の問題でクレイトン・カーショー投手(ドジャース)が出場できなくなる誤算はあったが、それでもマイク・トラウト外野手(エンゼルス)やポール・ゴールドシュミット一塁手、元巨人のマイルズ・マイコラス投手(ともにカージナルス)ら豪華メンバーを揃えてきた。

 WBCの歴史を語るうえでよく話題になってきたのが「メジャーリーガーをもっとも多く擁する米国の本気度」。レギュラーシーズン開幕前という時期もあって、真剣に勝ちにきていないのでは? そもそも最強メンバーを揃えていないのでは?という見方だ。

 これは一面の真実ではあるだろう。現に今回もアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)やジャスティン・バーランダー投手(メッツ)ら一部のトップクラスは代表に名を連ねていない。とはいえ、彼らが数十億、数百億円単位の超大型契約を結んでいる以上は球団に対して相応の責任が生じるのはやむなし。WBCの歴史がまだ浅く、そこでの「世界一」に負傷のリスクに見合う価値を感じられないということかもしれない。こればかりは大会の数を重ねるごとにWBC優勝の重みが増していくことに期待するしかない。

 それでも過去のWBCにおいて、米国代表は必ずしも本気じゃなかったわけではないと個人的には感じている。現に第1回(2006年)の米国代表メンバーは、今回以上の豪華な顔ぶれだったと言っても過言ではない。

 投手陣の大黒柱は、あのロジャー・クレメンス(アストロズ)。この前年の2005年に防御率1.87でタイトルを獲得したメジャー史上屈指の豪腕だ。彼以外にも22勝でナ・リーグ最多勝に輝いたドントレル・ウィリス(マーリンズ)や、最多奪三振のタイトルをものにしたジェイク・ピービー(パドレス)ら若きスターたちも出場。ブルペンにもジョー・ネイサン(ツインズ)にチャド・コルデロ(ナショナルズ)ら当時を代表するクローザーたちが揃っていた。

次のページ
第1回は野手も“豪華メンバー”