川崎・佐々木旭
川崎・佐々木旭

 31年目のJリーグが開幕した。各クラブの新たな戦い方、選手起用に注目が集まるとともに、3月24日に第2次政権初戦(対ウルグアイ代表)を迎える森保ジャパンの“新戦力発掘”にも興味が集まる。若手や海外組を中心に候補に挙げられる選手は幾人もいるが、Jリーグの活性化のためには、より多くの国内組の招集も期待したいところ。そこで今回、これまで世代別代表と無縁だった“無印選手”の中から、今後の代表入りを期待したい選手5人を推薦したい。

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 まずは、大卒2年目の大型SB佐々木旭(川崎)を推したい。2000年1月26日生まれの23歳。埼玉平成高時代は無名の存在で流通経済大進学後も試合に絡めない時間が続いたが、大学2年時に攻撃的MFからSBに転向して一気に飛躍。川崎入団1年目からリーグ戦21試合に出場すると、2年目の今季は開幕戦の横浜FM戦から左SBとしてスタメン出場して攻守に躍動感のある好パフォーマンスを披露した。相手のプレスにも動じず的確なパスで攻撃の出発点になると、自ら推進力の高いドリブルで持ち上がり、橘田健人のゴールをアシストした場面以外でも昨季からのスケールアップを印象付ける働きを見せた。第2節の鹿島戦はコンディション不良を理由に後半途中出場となったが、ピッチに立てば開幕戦同様に存在感あり。身長180センチというサイズ感も魅力で、このパフォーマンスを継続できるならば、森保ジャパンの課題ポシジョンでもあるだけに代表に呼ぶべきだ。

 同じ左SBになるが、黒川圭介(G大阪)も今後のさらなる飛躍を予感させる一人だ。1997年4月13日生まれの25歳。大阪桐蔭高から関西大へ進み、大学在籍時にG大阪の強化指定選手として2019年にJリーグデビュー。藤春廣輝と定位置を争った中、昨季はリーグ戦29試合(先発28試合)に出場して高い攻撃センスを発揮。チームは残留争いに巻き込まれた苦しいシーズンになったが、個人としては大きく評価を上げた収穫の多いシーズンになった。迎えた今季もポヤトス新体制の中で開幕・柏戦でスタメン出場すると、マテウス・サヴィオに激しく粘り強い守備で対応した上で、左サイドでボールを落ち着かせながらタイミングを見て勢い良く攻撃参加。無尽蔵のスタミナで精力的に動き回った。第2節の鳥栖戦では樺山諒乃介に“超絶ゴラッソ弾”のドリブル突破を許し、全体としても守備に追われる場面が多かったが、まだ勝負はここから。今後、チームの浮上とともに黒川が攻撃面で目立つ場面が増えれば、招集レターが届いてもおかしくない。

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中盤で注目したい2人は…