■治療の選択肢として放射線治療も検討を

 放射線治療はがん種や進行具合によっては第1選択にもなり得る治療だ。からだに負担が少ない治療なので、高齢で持病があっても受けられる場合が多く、放射線治療が加われば治療の選択肢を広げることができる。しかしほとんどの患者はまず外科や内科系の診療科を受診するため、放射線治療が選択肢として示されることなく、手術や薬物療法を勧められるケースも少なくない。また患者は「主治医に治療の相談をしたい」と思っても、言い出しにくいのが実情だ。大野医師は言う。

「その気持ちもよくわかります。しかしご自分の一生にかかわる大事なことなので、勇気を出してぜひ聞いてください。放射線治療医のセカンドオピニオンや、がん診療連携拠点病院の相談支援センターといった相談窓口を活用するのも一つの方法です」

 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』では、全国の病院に調査を実施し、がん放射線治療の患者数などの実績を掲載しているので、こちらも参考にしてほしい。

(文/谷わこ)

【取材した医師】

群馬大学病院 放射線治療科 教授 大野達也 医師

山梨大学病院 放射線治療科 教授 大西 洋 医師

広島大学病院 放射線治療科 教授 永田 靖 医師

※週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』より