写真はイメージです(Getty Images)
写真はイメージです(Getty Images)

 花の贈り物は、見た目の華やかさや花言葉の持つ意味などがあって、贈る側にとっては便利なチョイス。贈られる側にとってもうれしいものだが、当然のことながら、その場に応じた作法や花の種類がある。『【増補改訂版】きちんと知っておきたい 大人の冠婚葬祭マナー新事典』から、花を贈るときのマナーとTPOをおさらいしたい。

【図版】花の種類はシーンに合わせてこう選ぶ

 一口に「花」と言っても、「アレンジメントフラワー」「ブーケ」「鉢植え」「プリザーブドフラワー」などの種類があり、それぞれに向き不向きがある。上の図版に詳しいが、いくつかのシチュエーションについてまとめておきたい。

 開店・開業や新築祝いでは、鉢植えやアレンジメント、観葉植物がいい。大切なのは、室内の雰囲気に合わせたものを選ぶこと。「赤」は火を連想させることから嫌われる場合もあるので、避けたほうが無難だろう。

 イベント会場などへの陣中見舞いには、景気づけの意味でも華やかな雰囲気の豪華なアレンジメントが喜ばれる。誕生日祝いなら、相手の好きな花や誕生花を贈るのもいい。

 病気見舞いには、香りの強い花、花粉や花びらの落ちる花、葬儀に使われる花、鉢植えは避けること。シクラメンやクチナシの花も「死」や「苦」を連想させるのでタブーとされている。気持ちが和む、明るい花を選ぼう。

 贈答用の花の最高峰的存在の胡蝶蘭の鉢植えは、開店祝い・就任祝いなどの法人向けのお祝いや、新築祝い・還暦祝いなど格式のある場面で使われることが多い。「幸福が飛んでくる」という花言葉や、見栄えがよく、高級感があり、長持ちすることから、しばらく飾ってもらえることなどが選ばれる理由だ。

 花の色は白、リップ(白い花びらと赤い唇弁が組み合わさったもの)、ピンクが主流。定番色の白はお悔やみの場面にも使うことができる。本数が増えれば豪華になり、金額も高くなる。鉢植え全体の大きさにも影響するので、贈り先のスペースなども考慮に入れて選ぶといい。

次のページ
届けるタイミングにも配慮して