記者会見で水増し請求について説明する大阪府枚方市の担当者ら=2023年2月10日
記者会見で水増し請求について説明する大阪府枚方市の担当者ら=2023年2月10日

 枚方市は、パソナの報告を受けて、高齢者のワクチン接種予約サイトやサポート窓口を時間延長するなどの措置を講じた。その結果、人件費など多額の税負担を余儀なくされたという。

 これをきっかけに、同じようにワクチン接種の電話受付業務をパソナに委託していた吹田市や西宮市でも水増し請求が発覚した。いずれもパソナがエテルに再委託していた。

 西宮市ではパソナに業務委託した2021年3月から12月までで、オペレーターの人数が本来は3万600人という契約だったが、パソナの調査では1万7900人、58%しかオペレーターがいなかった。

 西宮市の担当者が言う。

「こちらに報告があったのは、昨年12月5日です。枚方市から苦情があがって1カ月以上も経過している。まさに裏切りです」

 吹田市でもパソナから報告があったのは西宮市と同じ昨年12月5日。担当者が憤る。

「ワクチン接種予約のオペレーター業務という枚方市と同じ委託のためパソナが調査したところ、人数が足りていなかったと報告がきた。延べで3万8000人のオペレーターが1万人も少なかった。枚方市が気づかなかったら、そのままだったことも考えられる。役所にどれだけ、『ワクチン接種予約の電話がつながらない』と苦情電話があったのか、わかっているのか」

 吹田市の担当者はこうも言う。

「再委託先のエテルは福岡県にオペレーターを置くと言っていた。管理できる大阪府内にと言ったが大丈夫だと。その結果が今回の不祥事です。水増ししたのはエテルだが、最大の問題は市から直接受注したパソナではないのか」

 パソナは取材に対し、

「エテル社の運営について管理監督を行っておりましたが、虚偽の報告がなされていることに思い至らなかった」

「再委託先であるエテル社は、当社からの発注書で定めていたオペレーターの席数を実際には確保していないにもかかわらず、当社に対して当該席数を満たしている旨の虚偽報告を行っていました。虚偽報告を認めております」

次のページ