ソフトバンクの高橋純平は巨人の“トレードの狙い目”に?
ソフトバンクの高橋純平は巨人の“トレードの狙い目”に?

 昨シーズンはリーグ4位で、5年ぶりのBクラスとなった巨人。特に苦しんだのがリリーフ投手陣で、3.80という救援防御率はセ・リーグで圧倒的な最下位の数字となっている(5位は広島の3.32)。ルーキーながら抑えとしてフル回転した大勢が2年目の今年は徹底的に研究されることが予想されるだけに、今年はさらに苦しい状況となる可能性も高いだろう。

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 そんな中でリリーフ陣を底上げするための新戦力として期待されるのが新外国人のロペスとドラフト5位ルーキーの船迫大雅(西濃運輸)だ。ロペスはダイヤモンドバックス時代の2019年に70試合に登板して21ホールドをマークした実績を持つ。リリーフとしてはそこまで奪三振率が高いわけではないが、150キロ台中盤のストレートと鋭く変化するスライダーが持ち味で、コントロールも決して悪くない。順調にいけば勝ちパターンのセットアッパーとして期待できるだろう。

 船迫はドラフトの指名順位こそ低いものの、即戦力としての期待がかかる本格派サイドスロー。跳ねるような躍動感のあるフォームから繰り出す140キロ台後半のストレートはホップするような勢いがあり、スライダー、シンカーと対になる変化球も上手く操る。キャンプでもここまで一軍で順調にアピールを続けており、チームにいないタイプの投手だけに開幕からブルペン陣の一角に食い込むことが期待される。

 実績はないものの、若手で飛躍を期待したいのがともに今年2年目となる山田龍聖と代木大和の両サウスポーだ。山田は昨年二軍でも9試合の登板で防御率8.69と結果を残すことはできなかったが、シーズン後の秋季キャンプでアピールし、この春のキャンプも一軍スタートとなっている。ボールの出所を上手く隠したフォームで、好調時の150キロに迫るストレートは勢い十分。チェンジアップのブレーキもあるだけに、課題のスライダー系のボールがレベルアップすれば一気に一軍入りも見えてくるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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