整形外科医。30代。その他詳細なプロフィールは非公開のおると医師(撮影/写真映像部・加藤夏子)
整形外科医。30代。その他詳細なプロフィールは非公開のおると医師(撮影/写真映像部・加藤夏子)

 ツイッターで約10万人のフォロワーを持つフリーランスのドクター、おると医師。フリーランス医師に求められることや、フリーだからこそ得られるメリットとは?週刊朝日ムック『医者と医学部がわかる 2023』でおると医師に詳しくお話をうかがいました。

【写真】フリーランスドクターおると医師のTwitterはこちら!

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 フリーランスの整形外科医である、おると医師。ブログやツイッターで、自らの働き方や一般向けの正確な医療情報を熱心に発信する彼は、本名や顔を隠したミステリアスなスタイルで、独自の存在感を放つ。

 おると医師がフリーランスになったのは30代前半。その前は医局に所属し、大学病院で勤務医をしていた。

「臨床の経験を積んで整形外科専門医の資格を取った後、転身を決めました。いずれ開業したいと考えていたので、いろいろなクリニックを経験し、経営や地域医療の見識を深めたいと思ったのです。目指す将来像に向けて、フリーになることは自然な選択でした」

 フリーランスになって約5年が経った今は、4~5カ所の医療機関をかけもちして働いている。それぞれ週1~2回の外来を担当し、週休は2日だ。

「クリニックの特徴も吟味し、忙しいけれど勉強になるところ、ユニークな院長から面白い経営の話を聞けるところ、外来が少なく患者さんとじっくり話せるところなどを選んでいます」

 なお、専門や仕事の内容にもよるが、非常勤や単発の求人の時給は比較的高く、少ない時間でより稼ぐことができる。だが、同時にデメリットも覚悟しなければならないという。

「職場に新たな常勤医師が赴任すると解雇されることがありますし、厚生年金に加入できないので自分で老後の蓄えをする必要もあります。当初の話より給料が安いなど、契約関係のもめ事も多いです。フリーランスには、自分をマネジメントする力が必須なのです」

 そのほかにフリーランス医師に求められることとして、おると医師はコミュニケーション力を挙げる。

「医療機関は経営面も重視するので、患者さんに『この先生がいるからここに行こう』と思われる医師であることが求められます。僕はもともと人と話すことが好きなので、患者さんとじっくり丁寧にお話しすることを心がけています。一緒に働く医療スタッフと良好な関係を築くことも大切です」

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フリーになってみつけた新たなライフワーク