春風亭一之輔師匠(撮影・戸嶋日菜乃)
春風亭一之輔師匠(撮影・戸嶋日菜乃)

 ついに「笑点」(日本テレビ系)の新メンバーが明らかになった。春風亭一之輔師匠。いま最も独演会のチケットがとりにくい落語家といわれ、若者にも人気だ。落語ファンにはおなじみで、その実力はいわずもがな。週刊誌の連載担当者の編集Kの証言から師匠の素顔を明らかにしていこう。

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 いったい誰になるのか……。昨年亡くなった六代目三遊亭円楽さんの後任で、新メンバーが2月から加わることが番組で発表されていた。ネット上では、複数の人物の名前があがっていたが、下馬評では一之輔師匠がダントツ。しかし、テレビの世界は大人の事情も働くと思われ、ふたを開けてみないとわからない。

「いやー。私も、数日前からドキドキしていて……。“落選”したら何て言おうか悩んでいました」

 と話すのは、週刊朝日編集部で一之輔師匠の連載を担当している編集K。週刊朝日の連載「ああ、それ私よく知っています。」は、Kが出す「お題」をもとに一之輔師匠が自由に執筆するというスタイルのコラムだ。師匠の執筆のツールは携帯。移動時間などに、ポチポチ入力して、毎週2000字の原稿を仕上げているという。ポチポチと書いたのは、最近まで師匠は「ガラケー」を愛用していたからである。

 ちなみに、2月10日号のお題は「スペア」。ヘンリー王子の暴露本が話題になっているからだろう。担当編集Kは英王室のゴシップ好きだ。そして1年前、笑点のメンバーが林家三平師匠から桂宮治師匠に変わったときのお題は「新メンバー」。一之輔師匠と宮治師匠は親交が深いとはいえ……。この通り、お題は無茶ぶりが多いが、締め切りに遅れたことは一度もないそうだ。

「本当にそうなんです。書けない、そのお題は難しいといったエクスキューズがないのです」

 Kは仕事で楽をしすぎだろう。

 さて、ここで一之輔師匠のプロフィールを簡単に紹介しておこう。1978年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門し、2012年、真打に昇進した。なんと、二十一人抜き。これほどの大抜擢だったことからも、いま人気、実力ともに次元が違うことにも納得がいくだろう。現在も年間900席の高座をこなしている。しかもチケットがなかなか取れないことで有名だ。

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初顔合わせのときの驚きの行動