横浜FCの小川航基(※画像は2019年のE-1選手権のもの)
横浜FCの小川航基(※画像は2019年のE-1選手権のもの)

 2023年シーズンの開幕へ向けて準備を進めるJ各クラブ。その中で、再びJ1舞台に戻ってきた新潟と横浜FCは上位争いに食い込むことができるのか。そしてJ2降格となった清水、磐田の静岡勢は1年での即J1復帰を果たすことができるのか。今季の「昇格」&「降格」の4クラブに注目したい。

 昨季のJ2優勝を飾った新潟は、今季6年ぶりにJ1の舞台に挑む。J2では常にボールを保持して主導権を握りながら勝点84を獲得。リーグ最多の73得点(1試合平均1.74得点)でリーグ最少タイの35失点(1試合平均0.83)と攻守に完成度の高いサッカーを展開した。しかし、それはあくまでJ2での話。2021年のJ2を勝点91(75得点42失点)で優勝した磐田が1年でJ2逆戻りになったように、多くの昇格チームがJ1の壁に跳ね返されるケースは数多い。しかし、今年の新潟は強気だ。松橋力蔵監督は「J1仕様で自分たちの形を見失う形は取りたくない」と昨季の戦い方を「継続」するつもりだ。

 その方針は今オフの補強を見ても明らか。町田から昨季J2で11得点7アシストと活躍したFW太田修介と左右のサイドバックでプレー可能なDF新井直人を加えた他は、現時点では新外国人として22歳の大型FWグスタボ・ネスカウ、23歳の左利きのサイドアタッカーであるダニーロ・ゴメスの若手ブラジル人2人を獲得したのみで、補強は必要最低限。本間至恩が昨夏に海外移籍し、高木善朗は昨年9月に前十字靭帯を損傷して全治8カ月のリハビリ中という不安はあるが、DF陣の連携に心配はなく、昨季9得点11アシストと躍動した伊藤涼太郎、切れ味抜群の20歳のドリブラー・三戸舜介とアタッカー陣は楽しみ。カギは昨季1トップを務めたFW谷口海斗が自身初のJ1舞台でどこまで働けるか。ブラジル人助っ人が活躍できなければ攻撃力不足に陥る危険性もあるが、しっかりとした戦術的ベースはあるだけに楽しみの方が大きい。

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横浜FCはメンバーが大きく“変貌”