サンディエゴの薬局の駐車場の看板には「ここでワクチンが打てます」と掲示されている/山本佳奈医師提供
サンディエゴの薬局の駐車場の看板には「ここでワクチンが打てます」と掲示されている/山本佳奈医師提供

 唯一、コロナワクチン接種をすすめる看板を発見したのは大型薬局の駐車場に立てかけられた看板です。冬のシーズンだからでしょうか。「インフルエンザとコロナワクチンの予防接種を無料提供(多くの場合、被保険者はインフルエンザとコロナワクチンは無料。コロナワクチンは被保険者でなくても無料)」と接種を呼びかけるものでした。

 日本では、コロナワクチンやインフルエンザワクチンなどの集団接種や職域接種を除き、基本的に病院やクリニックを受診しないとワクチン接種を受けることができません。「病院に行かなくても薬局で接種できるのはとても便利だわ」とジムで知り合った年配のカリフォルニア州在住の女性が話すように、日本でも街の至る所にある薬局で希望するあらゆるワクチンの接種を受けることができるならば、ワクチン接種のハードルが下がるのではないかと感じました。

 マスク姿をほとんど見かけないことも、日本とアメリカのコロナに対する受け止め方の差を痛感することの一つです。私が滞在しているアメリカのカリフォルニア州では、昨年の春に屋内や公共交通機関でのマスクの着用義務が解除されました。そのため、スーパーマーケットやジム、レストランやカフェなど、日々頻繁に訪れる場所でマスク姿を見かけることはほとんどありません。接客業の人がたまにマスクをしているのを見かける程度と言っても過言ではありません。

 病院はまだ利用していないので現状はわからないのですが、先月に2回ほど訪問した鍼の治療院の先生も受付のスタッフはノーマスクでした。米国疾病予防管理センター(CDC)は、すでにCOVID-19多発地域でない医療施設は医師や患者などの全員のマスク着用を不用とすることができるとし、アメリカではすでにCOVID-19の多発地域以外の医療施設での一律のマスク義務が廃止されています。そのためなのでしょう。私も施術中にマスクの着用をお願いされることはありませんでした。

次のページ
日常生活でコロナの話題が出ることもない