謝罪会見時の渡部建(撮影/伊ヶ崎忍)
謝罪会見時の渡部建(撮影/伊ヶ崎忍)

 2020年に複数女性と不倫騒動を起こしたことで10本ものレギュラー番組を失い、芸能活動を自粛していたアンジャッシュの渡部建(50)。約1年8カ月の活動休止を経て、昨年2月には自身の冠番組「白黒アンジャッシュ」で復帰したが、最近ではABEMAで千鳥やくりぃむしちゅー・有田哲平とも久々の共演を果たして話題となっている。

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「昨年11月に千鳥の『チャンスの時間』の2時間スペシャルに出演し、千鳥のふたりに散々いじられまくる姿が話題になりました。ロケ弁で食レポをさせたり、靴や服に『反省してる人が身につけるものじゃない』と難癖をつけたりとやりたい放題。YouTubeで配信された切り抜き動画の再生回数は合計で900万回以上再生され、『事件以降初めて渡部を見て笑った』『謹慎を逆に芸に昇華してる』と絶賛されていました。一方、同時期に放送された『有田哲平の引退TV』の第1回ゲストのほうも、配信2週間で100万回再生を突破するなどABEMAの新記録を更新。ほかにも、昨年は東野幸治さんのYouTubeに何度か出演し、得意の食レポを披露しています。低姿勢を貫き、あの騒動に対して真摯に反省しているという大前提は崩さず、それでいて売れっ子芸人たちからの壮絶なイジリにもちゃんと対応していました」(テレビ情報誌の編集者)

 渡部のバラエティースキルが高いのは誰もが認めるところだが、絶妙なバランスで反省と笑いを共存させるセンスはさすが。人気芸人のアシストがありながらも、言い訳のできない大騒動を起こしてしまった渡部が、それでもテレビの世界に戻ろうと決意し、イチからひたむきにやり直そうとする姿が視聴者にも響いたのだろう。

 ただ、業界内ではいまも厳しい見方をする人のほうが多い。「有田哲平の引退TV」でも「今は(レギュラーは)月に一度の千葉テレビだけ」と渡部は明かしていたが、お笑い界に詳しい放送作家は次のように語る。

「いま、人気バラエティー番組などに出演したら有吉さんやザキヤマさんからフルボッコにされるのは目に見えていますが、そこで渡部さんのイメージをコントロールすることは不可能でしょう。渡部さん本人は『有田哲平の引退TV』で『芸人がたくさんいるところに出たい。煮るなり焼くなり好きにしていただいて』と語っていましたが、あれはサービストークというか、本心としては絶対に出たくないはず。渡部さんが守りたいイメージとは関係なく、面白いところは当たり前のように使われてしまいますから。自粛中に講演会をやっていて、その流れで『超一流の会話力』という本を昨年11月に出版していますが、正直たいして話題にはなっていません。今の渡部さんには誰も教えを乞いたくないというのが実情だと思います」

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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「今後の確固たる戦略がない」